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拳銃を磨く男 深夜の死角

The Gun Polisher Pt.4

1960(昭和35年)/5/17公開 56分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11658 
配給:東映 製作:東映

シリーズ第4弾となる本作では、元外交官の殺人事件にからむ国際スパイ団の暗躍をめぐり、囮捜査を敢行する加下刑事がドラマーに変身し、数々の悪の実態をにぎる。特異なパントマイマー、ヨネヤマ・ママコのパントマイムが事件の重要な証拠固めになるという新趣向を盛り込んだ痛快篇。

拳銃を磨く男 深夜の死角
(C)東映

ストーリー

元外交官の菅野信行が轢死体となって発見されるが、事件の状況と菅野の令嬢・美佐子の証言によって単なる自殺事件とかたづけられた。だが、自殺説に疑惑を抱いた加下刑事は、友人の斉藤記者に菅野の前身の調査を依頼し、菅野が海外駐在中にスパイ容疑をかけられ極秘裡に依頼免職となり帰国したことを知って、さらにこの事件に興味を抱いた。事件の裏にはスパイ戦が絡まっているのではないか?と井上刑事と協力して猛然と捜査を開始した加下は、菅野の通夜に現われた元外交官夫人の吉村未亡人に疑惑の目を向ける。加下は吉村未亡人が経営するキャバレー“ブルー”のステージヘ友人ママコのパントマイムと組み、ドラマーとして出演しながら秘かな内偵を続けた。加下の若い魅力に惹かれた吉村未亡人は、加下を誘惑しようと夢中になる。その吉村の狂態に嫉妬の眼を光らせる男、それは、菅野美佐子の婚約者で木村という青年。木村は吉村の愛欲の虜となっていたのだ。加下と吉村のしのび逢いを狙って疾駆する自動車。その車内から火を噴いた拳銃は、吉村を殺害すると一瞬の間に消えて行った。加下はその車中に木村の姿を確認する。 吉村殺人の捜査本部が設けられ、捜査は新しい殺人事件を迎えてようやく本格化するがスパイ事件を推定させる具体的な証拠は未だ全くない。 キャバレー“ブルー”では新しいマダムとして外国人のサリーが代った。事件究明に躍起となった加下は一計をたて、“ブルー”に集まる黒幕と思われる人間たちに皮肉な挑戦を試みた。それは、ママ子のパントマイムを利用し、自らのドラムで彼が推理し構成した菅野殺しの現場と真相をショーに組み立てて再現するという方法だった。“ブルー”のショーには、国際スパイ団のボス・オルマンジー、中国人の揚、印度人のガーガン、日本人の殺し屋・ジョージに木村を混えた一味が集まり、加下の着想は見事、効を奏して彼らは深い動揺を見せる。
一味は照明を次々と消すと、場内騒然たる中、非常梯子を伝わって逃亡し、加下は事件に対して大きな自信を得たのである。更に加下は、菅野家から美佐子を“ブルー”へと連れ出す木村を尾行し、木村の会話から菅野がスパイ行為を拒否した為に揚一味に殺されたという事実を知る。だがこの時、加下の胸もとには木村の銃口が向けられていた。ずらりと加下を囲む一味、その一瞬、背後に忍んだサリーが拳銃を加下に手渡した。サリーは、国際警察官だったのだ。撃ち合いの中、木村は硝煙の中にのけぞった。陰謀崩るると見たオルマンジーをはじめ揚、ガーガン、殺し屋ジョージたちは、美佐子を人質に横浜港へ飛んだ。だが一味を迎えるのは水も洩らさぬ非常線。急濾、吉の山荘へと急ぐ彼らを追って、加下や井上以下武装警官隊が集結する。
繰り広げられる一大拳銃戦の中、美佐子は危うく加下に救われた。死物狂いのオルマンジー、揚の一味は追撃を逃れようと危険な急斜面に走る。彼らの無謀な発砲は雪面を揺るがして凄まじい雪崩を引き起し、一味は無残にも埋めつくされてしまった。

拳銃を磨く男 深夜の死角
(C)東映
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