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次郎吉ばやし 千両小判

Jirokichi's Travels

1960(昭和35年)/7/20公開 67分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11780 
配給:東映 製作:東映

陣出達朗原作「三びきの鼠」を映画化。正義感と愛情によって結ばれた一代の叛骨児ねずみ小僧と三人の男たちが、私腹を肥やす悪商人と金座役人を相手どり、遂にはその前科まで暴いて、仲間の一人・銀平の主家の仇を討つという痛快篇。

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ストーリー

暴利を貪る豪商や武家屋敷から盗んだ金を庶民にバラまき、世直し大明神と呼ばれた怪盗ねずみ小僧は、大江戸の人気を一人でさらっていた。
その頃、市中の盛り場に小屋掛けをして、得意の水芸を披露する水島吉彌太夫は、悪名高き両替商・相模屋に舞台を荒らされようとするが、質商・泉屋利兵衛に救われ、更に迫る執拗な魔手も軍談師・紋之助の機転で逃れることが出来た。
だが紋之助は、岡っ引・仏の五兵衛と乾分の勘六の前でうっかりねずみ小僧の名を騙ったばかりに十手に追われる破目となるが、いま一人、ねずみ小僧を名乗った男がある。昼のお礼参りに泉屋の妹・霞をさらおうとした相模屋番頭をたたきのめした椿十四郎だ。大の仲良しの紋之助と椿は期せずしてねずみ小僧を名乗ったことでお互いにきまりが悪い。
その二人が、またねずみ小僧と称する若い男を知った。
男の名は銀平と云い、元佐渡金山奉行与力・桜田五左衛門の手下だったが、主人の五左衛門が相模屋の奸計に会い、手渡した金塊五十貫の受領書を相模屋と結託した役人・後藤に盗まれて責任を取って詰め腹を切ったため、無念を晴らそうと息女の千鶴と共に出奔、妙心寺に彼女を隠して盗まれた受領書を取り返そうと狙っていたのだった。
孔雀長屋の十四郎の家に三人の偽ねずみ小僧が集まり、相模屋と後藤に一矢を報いるべく手を結ぶ。泉屋の一計で吉彌太夫の水芸を囮に使い相模屋に宴を張らせ、囃子方に変装した銀平が奥の間に隠された受領書を狙ったが、どんでん返しの仕掛けにあい突然現れた黒装束のねずみ小僧に救け出されたものの岡っ引き五兵衛に捕われる。おまけに相模屋に正体を知られ、後藤に唯一つの証拠の書類を焼かれてがっかりするが、同心に変装した泉屋によって五兵衛の繩から逃れることが出来た。
銀平は、泉屋が本物のねずみ小僧とではないかと聞きただすが、泉屋は知らぬ一点張り。一方業を煮やしたした政之助と椿は、北町の名奉行と噂された榊原主計頭にねずみ小僧を名乗って相模屋一味の悪事を訴え出ようとするも一足早く銀平が自首していた。だが、証拠の荷受証がなければ、榊原も取り上げることが出来ない。
一方、相模屋と後藤の二人は、利益をめぐり仲間割れしようとしていた。焼いたはずの例の荷受証は、相模屋邸の柱の中に本物が隠されてあったのである。それがねずみ小憎が奉行所に訴え出たと聞いて智恵をしぼった揚句、桜田の娘・千鶴を探し出して消そうと考える。
ニセねずみ小僧と悟られて奉行所を出た銀平は、一足違いで大事な千鶴が相模屋出入りのやくざ鬼薊一家の手で連れ去られたことを知り、後を追って相模屋に潜り込むと習い覚えた刀を振ってみるが、多勢の一味にはかないそうもない。そこへ駆けつけたのが、紋之助と椿だ。二人の活躍でたちまち千鶴を奪い返す。だが相模屋の逃げ足は早く、隠し戸棚の荷受証を持って消えようとしたが、中は空っぽ…。その時、頭上から笑い声が響く。鴨居にへばりついた黒装束の男である。
「証拠の品は確かに預かったぜ」
「誰だてめえは…」
「人呼んで鼠小僧次郎吉、うぬらのような悪党が腹の底から大嫌いな男よ!」
ねずみ小僧はにっこり笑うと頭巾をとった…。
その頃、北町奉行・榊原主計頭を先頭に御用提灯の群れが相模屋邸をとりまいていた。

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