作品検索

作品紹介

人形佐七捕物帖 ふり袖屋敷

Cases of Ningyo Sashichi Pt.4

1960(昭和35年)/8/24公開 61分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11858 
配給:東映 製作:東映

若山富三郎の人気捕物シリーズ第四話。振袖屋敷に次々と起る怪死事件をめぐって登場する怪浪人、謎の風流人、憂愁の娘芸人…。神田お王ヶ池の名目明し・人形佐七の法善流棒術と名推理が次々と事件の糸を解いていく。

NO IMAGE

ストーリー

恋人お照に髭を剃ってもらって亭主気分を楽しんでいた神田お玉ヶ池の目明し・人形佐七だったが子分の辰五郎からの本所のふり袖屋敷の古池で土佐衛門が発見されたという報告に夢破られてハッと腰をあげる。
ふり袖屋敷とは、もとはさる大身の旗本屋敷であったが娘が狂い死にして以来人手も入らない荒れ屋敷で、先日も古井戸から現れた身の毛もよだつ生首に驚ろいて気絶してしまった通りがかりの職人が、助け人が馳けつけたときには朱に染まって最後を遂げていたという無気味な事件の絶えないゆうれい屋敷である。
土左衞門の二の腕にある島帰りのいれずみに事件の背後関係の複雑さを感じて新しい意欲を燃やす佐七であった。
こんな佐七に本所割下水の十軒長屋に住む日野三平という浪人者が、自分もふり袖屋敷でかねてから噂の娘の亡霊を見たと語りかける。
三平の案内で勇躍ふり袖屋敷へ出掛けた迄は良かったが、紙燭を手にほの白く影の様に現れて風の如く消えたふり袖亡霊を目のあたりに見てさしもの佐七も胆を冷した。無気昧なゆうれい屋敷をめぐる謎の連続殺人事件に思案投げ首の佐七のもとへ、チンピラやくざの市公が耳よりな話を持ち込んでくる。江戸で大評判の娘手踊り花の家一座の花形・水仙が市公のロから佐七の名前を聞いてしどろもどろになったというのだ。
この水仙というのは、恋人を作る暇があれば父親の徳次郎の面倒をみているというぐらいの孝行娘である。花の家一座の掛小屋に水仙を訪ね、更に十軒長屋へ日野三平を求める佐七。この十軒長屋で佐七を迎えたのは、虚空をにらんでのけぞっている変り果てた三平の姿であった。死体の腕の島帰りのいれずみを見て佐七の目はキラリと光る。
南町奉行与力・神崎甚五郎を案内して再び水仙の掛小屋へ舞い戻った佐七に頭取が水仙の失踪を告げた。「調べの方は俺がしておく。早くせんと娘一人幽霊にやられるゾ」という神崎の激励を背に聞きながら、佐七はふり袖屋敷へと宙をとんだ。
水仙の不思議な挙動からふり袖幽霊の正体は水仙だと見破っていた佐七だった。青白い月の光が荒れ果てて凄惨たる様子を照らし出すふり袖屋敷の植込みの蔭から、水仙の悲鳴と同時に踊り出た黒い二つの影、云う迄もなく佐七と辰だ。徳次郎の哀れな死体に怒りを爆発させた佐七は、屋敷内の無気味なからくりを蹴破り、無言で斬り込んでくる浪人者の凶刃の林をかい潜り、血に飢えた殺人鬼を求めて突進する。
恐怖と絶望に蒼ざめながら後退する水仙に、妖しい笑いを浮べながら迫る黒い影。「蓬庵紫月たぁ酒落れた名だが手前の名は十何年前江戸中を荒らした盗賊・紫紐丹左衞門ッ!」佐七の激しい叱陀に丹左衞門の凶悪な顔がゆがむ。
今はこれ迄と凶刃を手に迫る丹左衞門を佐七の法善流棒術が阻む。そして明快な推理が次々と連続殺人の絵解きをしてゆく。水仙の正体は?そしてふり袖屋敷の謎とは?

人形佐七捕物帖 ふり袖屋敷
(C)東映
ページの先頭へもどる
一般社団法人 日本映画製作者連盟・会員(4社)