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天竜母恋い笠 

Heavenly Dragon

1960(昭和35年)/10/23公開 89分 カラー シネマスコープ 映倫番号:12027 
配給:東映 製作:東映

やくざ悲願の暴れん坊が母と姉への慕情と男の意気地を一本刀に賭けて父親の仇を討つ!お得意の唄にのせて颯爽と斬りまくり暴れまくる美空ひばり主演の股旅時代劇の傑作。

天竜母恋い笠 
(C)東映

ストーリー

信州伊那一帯の御領林伐採の御用を代々一手に引き受けている信濃屋新左衛門は、仕事見廻り中、土砂崩れの下敷きとなり非業の最後を遂げた。信濃屋の一人息子・新太郎は、幼い頃から旧家の重圧に反撥しやくざ稼業に憧れていたが、父親の死後、後に残った母親おさい、姉のお春の嘆きをよそに、この一帯に縄張りを持つ飯田屋熊五郎一家の三下奴におさまった。サァ喜んだのが親分の熊五郎。一見事故死に見える新左衛門の死は、実は、熊五郎と悪代官・鬼頭平左衛門との信濃屋乗っ取りの陰謀であっただけに、その死後、一番目ざわりな存在である新太郎が事もあろうに熊五郎の懐に飛び込んできたのだ。
折も折、土地の正義派の目明し・文治が信濃屋謀殺事件の証拠を掴んだ事を知った熊五郎は、またしても一計を案じ、文治を闇討にしてその罪を新太郎と相棒の由松に着せたが、今は皐月の新太郎と名乗り、いっぱしのやくざぶっている新太郎は、恋人おしまと世帯を持つことを唯一の楽しみにしている吉松の罪をも引き受けて熊五郎の命ずるままに、お春が涙ながらに封印した長脇差をぶち込むと江戸は花川戸・鐘馗の源八のもとに草鞋を脱いだ。鐘馗一派はもともとが熊五郎一家の身内で、目明し殺しの犯人として密告された新太郎は、江戸の水にもなじまぬうちに捕らえられ、重罪人として鳥も通わぬ八丈島に流されてしまった。それから数ヵ月後、八丈島に再び流人が送り込まれたが、その中に信濃屋の一番頭・清之助のやつれた姿があった。清之助とお春は親も承知の許婚同士。ゆくゆくはのれんを分けてもらい、お春と二人で幸福に暮らしていくはずであった。ところが、新太郎の消息が絶えて後、お春に横恋慕する熊五郎の道楽息子・銀之助が、是非お春を嫁にと申し入れ、それを手強くはねつけられると熊五郎は信濃屋ののれんを取り上げた上に清之助に主殺しの罪をきせ、八丈島に流してしまったのだ。今は寄る辺もないおさいとお春は、由松おしま夫妻の情けにすがり、屋台のおでん屋で細々と生活をたてていた。清之助の話に固く復讐を誓った新太郎は、人情役人・木村大作の計らいで至難といわれる島抜けに成功した。
それから幾十日、江戸鐘馗一家に姿を見せた新太郎は、熊五郎と組み御用林伐採で今成金を誇る源八の髯を叩っ斬り、島へ行く時に預け封印をしたままの長脇差を取り戻すと、信州伊那を目指して足を早めた。その途中、あざやかに胴巻きをすり盗った小粋な女スリ・中節のお蝶を捕らえたが、その乾分仙吉がもと信濃屋の丁稚と知ったお蝶は一肌脱ごうと持ち前の義侠心にかられ、嫌がる新太郎の後を追って伊那へと旅を続けたところにもう一人奇妙な助太刀が現れた。その名を山城勘兵衛源の清盛と名乗るのんだくれの素浪人。もとは源八一家の用心棒であったが、新太郎の気っ腑に惚れ込み、逆に源八一家をさんざんに叩きのめして新太郎の後を追ってきたのだ。その頃、熊五郎は、貧苦に喘ぐおさい、お春に最後のとどめをさす事に成功した。島抜けに失敗した新太郎、清之助の死…もっともらしい熊五郎の知らせにおさいは病に倒れ、希望を失ったお春は、銀次郎との結婚を承諾した。そして今日はその当日、もと信濃屋は熊五郎一家の喜びに満ちあふれている。折も折、傷ついた源八の急報により新太郎殴り込みを早くも知った熊五郎は、堅気になりたがっている由松を欺き、新太郎を闇討ちさせようとしたが、勘兵衛の剛剣がこれを救い、お蝶、仙吉も熊五郎の悪事の証拠を握ることに成功する。そんなこととは露知らぬ熊五郎、この世の春とばかり一人息子の固めの盃に目を細めたとき、飛鳥のように新太郎が躍り込んだ。そしてその後には由松、お蝶、仙吉、勘兵衛が…。蒼ざめたお春の顔に血の気がさしてきた。「新太郎」「姉さん、清之助は死んじゃいない。今日こそこの封印切らしてもらいますぜ!」新太郎の刃が鋭く熊五郎に迫ったとき、悪代官・平左衛門の刃がお春の胸にかざされた。だが早くも勘兵衛の一刀が平左衛門を倒し、新太郎もまた熊五郎を倒した。輝しい朝、今日は新太郎の旅立ちの日である。島抜けの重罪も素浪人勘兵衛のこと大目付直属の天領監察方・下部吉十郎の取り計らいで一年の所払いとなった。来年の今頃は、お春、清之助夫妻に助けられ、信濃屋の店先でかいがいしく働く新太郎の姿が見られることだろう。

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