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素浪人百万石 

A Million Stones

1960(昭和35年)/11/15公開 85分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11995 
配給:東映 製作:東映

天下御免の浪人ながら、腕と度胸は百万石。正義の風流浪人が、お家横領の犠牲にされんとする姫君を守り、大江戸の無法地帯に阿修羅の白刃嵐を起す、胸もすく痛快時代劇。

素浪人百万石 
(C)東映

ストーリー

浪人なればこそ出来る…身は一介の素浪人ながら、世の邪悪と不正を正さんと決意した山川忠介は、大江戸の無法地帯と呼ばれる下谷新地の居酒屋樽安で、美乃という武家娘を愚連隊の魔手から救った。この下谷の新地は、かつて忠介の同僚だった定廻り同心・佐川十三郎をさえ骨抜きする不正と邪悪の暗黒街であり、街の中は弁天一家によって支配され、美乃を襲った愚連隊もこの弁天一家の輩下だったのだ。だが、この無法地帯にもかすかながら希望の光はあった。忠介の行動に協力する樽安の女将おりん、忠介に好意を抱く殺し屋の朝吉、そして忠介の行動に秘かな期待を抱く磯部作左衛門ら浪人群の存在だ。この後忠介は、美乃を家へ送り届けたが、屋内では美乃の父・土橋久兵衛が何者かに惨殺されていた。折も折、下谷一帯の大地主・茜屋浩右衛門から忠介に呼び出しがかかる。茜屋と対面した忠介は、弁天一家が三日間の間、美乃に危害を加えないことを約束させる。茜屋こそ下谷の暗黒街に君臨する黒幕だったのだ。
この後、忠介はかつての同僚で下谷の定廻り同心・佐川に会い、この下谷無法地帯の底知れぬ恐ろしさを聞かされるが、忠介は一層この暗黒街の邪悪に挑戦する決意を固める。茜屋との約束の期限である三日目の夜、下谷一帯の盛り場は、弁天一家の命令で大戸をおろして不気味なまでに静まりかえっていた。この頃、忠介と美乃は土橋家の邸内で秘そかに脱出の機をうかがっていたが、既に門前には、弁天一家の吉蔵らによって囲まれていたのだ。この吉蔵らに向かって音もなく忍びよった一人の男がある。殺し屋の朝吉だ。朝吉は吉蔵らを一瞬のうちに倒すと、忠介と力を合わせて決死の脱出を試みた。しかし、斬っても斬っても新手をくり出す弁天一家にとり囲まれた忠介は朝吉に美乃をまかせて防戦に務める。朝吉は巧みに弁天一家をまき、美乃をようやく樽安に連れ込むことに成功する。朝吉とは、もとはれっきとした武家の出で、講武所時代、樽安の女将おりんとは昔馴染みの間柄だったのだ。忠介も美乃の後を追って、大川に飛び込み、弁天一家の目をくらまして樽安にたどりついた。弁天一家が何故これ程迄に美乃を狙うのか、忠介はこの謎を解明するため、土橋家が昔仕えていた忍藩の江戸屋敷を訪れ、家老の桜井と会う。そこで忠介は、桜井から美乃が忍藩松平家の姫君であることを聞かされる。即ち、忍藩の城代家老・金井修理太夫が、自分の子を重病の城主の後に立てようと、金にあかして江戸の顔役茜屋と結び、唯一人の血縁である美乃を暗殺しようと計っていたのだ。だがこの間に、弁天一家は美乃が樽安にいることをつきとめ、樽安に向かって押し寄せたのだ。この時、樽安の門前でこの弁天一家を迎え討った男、定廻り同心の佐川だった。佐川は忠介の勇気ある行動に感化され、弁天一家と闘う決意を固めたのだ。さらに、磯部ら浪人群も遂に立ち上がった。乱闘数刻、佐川そして磯部らが危機におちいった時、急を聞いて忠介が駆け戻る。忠介正義の剣は茜屋、武五郎ら弁天一家と忍藩金井の輩下の刺客たちを次々と斬り倒していった。

素浪人百万石 
(C)東映
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