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ネオンの海の暴れん坊 

Rule of The Neon Sea

1961(昭和36年)/5/11公開 51分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11968 
配給:東映 製作:東映

銀座の人気者、仲の良い流しのコンビ・哲と六が、七色のネオンに輝く夜の銀座を舞台に描く、唄と活劇の痛快篇。深夜の殺人事件を目撃した大汚職事件に巻き込まれた哲と六が、頭脳と腕力をフル回転。見事に大手柄を立てる。

ネオンの海の暴れん坊 
(C)東映

ストーリー

ネオンが一つ二つ……そしてみんな消えてゆく頃、銀座は、ようやく夜の静けさを取り戻す。仲のいい流しのコンビ哲と六もそろそろ店じまいだ。今夜はどうも身入りがよくないらしい。淋しい懐を抱えて寝ぐらへ帰ろうとした二人は、街角で不意に一人の男から、ボロボロの手帳を渡された。そこまではよかったが、それからが大変。その男は急停車した怪自動車から降りた二・三人の男に、あっという間に殺されてしまったのである。
男は、手帳を青山の溝口正三郎なる人物に渡してくれるように哲に頼み、息を引き取った。深夜の殺人事件は、翌朝の新聞を賑わした。その内容によると、殺された男は、建設会社経理課長の田宮で、白雲川ダム工事汚職事件の鍵を握る人物、当局が指名手配中の男だった。田宮が哲に渡した手帳は汚職に関する重要な事が書かれててあるらしい。事件があってから哲の許へ手帳を渡せという怪電話が執拗にかかってきた。更に哲は、疾走する怪自動車に危うくひき殺されそうにもなった。何者かが哲を、いや哲が持っている手帳を狙っているのだ。然し一徹な哲は、頼まれた以上、内容がどんなものであろうと、溝口なる人物に手帳を渡そうと必死になって奔走した。哲と六はやっとの思いで溝口の家をつきとめたが、溝口は不在で、哲は手帳をお嬢さんの美智子に渡した。溝口なる人物は、実は敏腕の検事だったのである。手帳が溝口検事宅に渡ったと知るや、手帳を狙う一味は、俄然色めき立った。ナイトクラブ“黒馬車”の支配人大神は、汚職事件のもみけしに躍起になっている建設会社に頼まれ、弱気になり自首したがっていた田宮を殺し、手帳を取り上げ、その報酬として一千万円を戴くという心算だったのである。大神は、溝口検事の息子の圭一を誘拐し、手帳と交換しようという悪辣な手段をとった。然しその取引も、哲と六の想わぬ邪魔で不成功。すっかり腹を立てた大神は、先ず邪魔者から消そうと、殺し屋の源に哲を狙わせた。哲は、危うく源の消音拳銃から逃れた。源の怪自動車は一瞬闇に消えた。哲はバー“オメガ”の女給トリオ、チー子、カー子、トン子の援助により、自動車ナンバーから持ち主を探し出そうと必死になった。その頃、東京タワーでは、美智子と大神の間に、手帳と圭一を交換しようという取引が行われていた。それを知った哲は、東京タワーに駈けつけ、その前に止まっていた大神の自動車のトランクに隠れ込んだ。そうとは知らぬ大神は、美智子から手帳を奪い、おまけに美智子までも自動車に乗せ“黒馬車”の一室に監禁してしまったのである。哲は、そっとトランクから抜け出し、“黒馬車”へ忍び込んだが、運悪く源に見つかり、拳銃の一撃で床に倒されてしまった。一方、六はチー子、カー子、トン子の知らせで自動車の持ち主が“黒馬車”の大神であることを知り、女給トリオと共に“黒馬車”に忍び込んだ。そして、監禁されていた哲、美智子、圭一を救い出したが、それに気がついた大神一味は、哲達を襲った。激しい拳銃の応酬、物凄い肉弾戦――大神一味も遂に悪運つき、駈けつけた警官隊に逮捕された。そこに居合わせた建設会社の社長、汚職の張本人中蔵も、大神一味と共に手錠にかかり世間を騒がせた汚職事件も、帰郷した溝口名検事の手によりすべて落着した。
東の空が、ほのかに白んで、銀座の夜明けがやってきた。哲の口から飛び出した唄声が、すがすがしい朝の空気の中へ流れていった。

ネオンの海の暴れん坊 
(C)東映
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