1962(昭和37年)/3/28公開 89分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:12684
配給:東映 製作:東映
深作欣二監督が「国際的な関係の中で歪められている日本と、個人の姿を考えてみたい」と“日本の黒い霧”を背景に意欲的に取り組んだ異色のサスペンス・ドラマ。
業界紙記者・黒木に鶴田浩二、死の商人・高山に丹波哲郎が扮して白熱の対決を魅せる他、梅宮辰夫、大空真弓、中原ひとみ等、豪華キャストが顔を揃え、現代社会に歪められてしまった人間たちの怒りと苦悩を強烈なサスペンス・タッチで描く。
業界紙・鐵鋼新報の記者・黒木は、特需景気の去った今、再び活発な動きをみせる三原産業に不審を抱いて調査を開始し、ある特ダネを入手する。革命で国を追われた東南アジアの亡命者たちが、反革命を意図して密かに日本で武器買い付けを行っていたのだ。この反革命側と軍需産業を結ぶ武器ブローカーは、占領当時GHQの諜報部員で今は死の商人となっている高山。彼はかつて、諜報部員の地位を利用して黒木に烈しいリンチを加えた男だった。武器密輸阻止によって高山への復讐を果たそうとする黒木。だが、その背後には黒木一人では太刀打ちできない巨大な組織があった。黒木は記者の立場から真実を発表することによって、その巨大組織にも挑戦しようとするのだが…。