1963(昭和38年)/6/2公開 81分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13208
配給:東映 製作:東映
はかまスタイルで売り出した畠山みどりの第一回主演作。ヒット曲をふんだんに取り入れながら、花柳界に花咲く二人の姉妹の美しい愛の交流と恋の葛藤を描いた歌謡ドラマ。
荒木町の花柳界。夜は華やかなこの世界もそこで生きていく人々の悲しみや喜び、苦しみで満ち溢れている。人気芸者・牡丹とその妹でお座敷歌手の由美も、貧困に喘ぐ家族を救うために北海道からやってきていた。だが由美は昼はエレベーターガールとして製作所で働き、お座敷歌手はいわば得意な歌を生かしたアルバイト。由美には同じ会社に田宮という恋人がいたが、彼は両親に由美の素性をいまだ打ち明けられずにいた。牡丹もパトロンの安原が破産してしまい、父親の再出発資金の工面に悩んでいた。牡丹は、芸者の多良子のパトロンであった伊藤が自分に目を付けている事を知り、なりふりかまわず伊藤を奪うと、復縁を迫る安原を「金の切れ目が縁の切れ目」と冷たくあしらうのだった。牡丹の昔の恋人・五郎と再会した由美は、姉に昔の優しさを取り戻して欲しいと願うが失敗。由美は牡丹に激しい怒りを覚える。だがそれも貧しい家族のためである事を知った牡丹に田宮との結婚を強く勧められた由美は新しい希望を願うようになる。だが、お座敷歌手の事が週刊誌のグラビアに紹介されたため、由美は昼間の職場を失い、田宮の母親からは別れ話を強引に持ち出された。焦った牡丹は、由美をせめて歌手にさせてあげたいと多額の借金をするが、そのお金を詐取されてしまい…。