1963(昭和38年)/9/8公開 85分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13324
配給:東映 製作:東映
親に捨てられスリになった天涯孤独の美貌の女スリと、彰義隊隊士とのひたむきな恋を維新の動乱を背景に美空ひばり主演で描く感動作。
慶応四年。徳川将軍が江戸を追われ、薩長土肥連合軍が市中を闊歩し始めていた。当時江戸市民は連合軍たちの傍若無人な行動に反感を抱いていたが、特に娘スリ師の隼おぎんは、仲間のおもん、庄吉らと共に官軍士官の懐から次々と財布を掏りとっては溜飲を下げていた。おぎんたちはおりきを女親分とするむささび一家の支配下にあり、稼ぎの七割は取られてしまう。おりきの制裁はむごく、おぎんはおりきに憎悪の目を向けるのだった。そんなむささび一家に町方・勘兵衛の案内で、天野八郎とその部下・村上新三郎らが訪れ、官軍士官の肩に輝く錦切を掏りとってほしいと頼んできた。おりきは稼ぎにならぬと断るが、おぎんは一人で錦切を掏り始める。ある日、おぎんは、傷ついて官軍隊長の円城寺から追われる身の村上をかくまい、捨て子のおみよと共に三人で暮らすことになる。二人の世話を焼くおぎんの顔には幸せそうな微笑が浮かび、スリ稼業から足を洗う事をついに決心するのだった。村上の提案で「納涼演芸大会」でおみよの親を探す事にしたおぎんたち。ついにおみよは父と対面するのだが、おぎんが町方・勘兵衛に追われ、村上はおぎんの身分を知ってしまった。そして数日後、時代は明治へと移り、村上は彰義隊の生き残りと共に東京から脱出しようとしていた…。