1963(昭和38年)/12/14公開 87分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13399
配給:東映 製作:東映
原作は山田風太郎の「忍者月影抄」。忍者の非情な世界を通して、八代将軍継承をめぐる幕府と尾張家の確執を発端とする伊賀、甲賀両組の凄愴きわまりない死闘を描く。
徳川八代将軍が治世の頃、江戸の町では相次いで放火が発生、南町奉行所まで魔手が伸びて、不安と幕府への非難が高まっていた。しかも江戸城では甲賀忍者が暗躍し、吉宗はかつて将軍の座を争った尾張大納言が怪しいとにらみ、幕府お庭番に壇新兵衛を頭とする「四の組」を新たに組織すると尾張の身辺調査を命じた。新兵衛の姉である楓は尾張の伊集院頼母の腰元として隠密活動を続けるが、楓をはじめとする何重もの監視の目からも、頼母から謀反のにおいは感じられなかった。新兵衛はそれでも頼母の身辺を注意し、自らの周囲に甲賀忍者の殺気を感じ取っていた。そして遂に楓から「月落ち鴉鳴いて霜天に満つ」という謎の暗号を手に入れる。だが時既に遅し。既に甲賀忍者群は江戸の町で千人を超える大規模な牢獄破りを敢行していた。町はますます混乱を極めるが、ようやく黒幕を頼母と断定した新兵衛は、最後の決意を固めて頼母の暗殺を試みるのだった…。