1967(昭和42年)/11/1公開 93分 カラー シネマスコープ 映倫番号:15122
配給:東映 製作:東映
富沢有為男の小説を映画化したマキノ雅弘監督の任侠映画。マキノならではのメリハリの効いた演出が冴え、また竜馬の亡き母と彼を救う芸者を藤純子が演じる。
伊吹龍馬二等兵は、新兵虐めに明け暮れる古年兵の暴挙に反抗し、営巣入りを四度も重ねる暴れん坊。晴れて除隊した龍馬は、世話になっている呑海和尚を真っ先に訪ねて母の死を知らされる。絶望した龍馬は自殺を図るが失敗し、ひょんなことから乞食仲間と知り合い芝浦港の荷揚げ人夫となるが、そこで龍馬は持ち前の腕力と正義感が喜之助親分に見込まれて坂本組で働くことになった。しかし芝浦一帯を牛耳る宍戸組が港を独占して他業者を締め出し、荷揚げ料を吹っかけて暴利を貪っていた。龍馬は宍戸組の悪辣な縄張り根性を叩き潰そうと歯向かって、坂本組と宍戸組は険悪となるが、月島の岩佐組の幹部・小池の口利きで手打式となった。小池とは二等兵時代の親友であった。龍馬率いる芝浦出張所の仕事は軌道に乗り、東京市水道局の鉄管運搬の入札を得て大きく飛躍を遂げようとしていた矢先、恩師・喜之助が岩佐組に射殺される。小池が竜馬のもとに現れ、鉄管運搬から手を引けと懇請するが、龍馬は友情と仕事は別だと突っぱねる。だが日増しに岩佐組と宍戸組の妨害が悪質になり、遂に龍馬は、単身、岩佐組と宍戸組と対決することになった…。