1961(昭和36年)/2/19公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
寺山修司のオリジナル・シナリオを、篠田正浩が監督したアクション・コメディ。撮影を小杉正雄が担当している。
詐欺と不正を働く××建設の水田専務は殺人業マネージャー大上良太の紹介で殺し屋を雇うことになった。下町殺し屋のメンバーは、猟師の娘でいつも山羊を連れ人は殺すが獣を殺すのはいやというナギサ。ガダルカナル戦当時より小銃を使い実戦で鍛えた腕を誇る伍長。殺し屋という仕事を合理化して株式組織にしようとしている大学生の殺し屋フットボール。殺し屋と医者を使いわけるドクター。香港帰りのレディ・キラー香港。ドスに腹巻きスタイルでナイフを使う戦前派、越後一家。今まで殺した九十九人の写真をアルバムに貼り眺めて泣いているセンチ。文学青年で詩を愛している殺し屋詩人、の七人。腕の優劣を決めるためとった方法が、競馬場で一着に入ってくる馬の騎手の帽子を射ち落すといった方法がとられた。殺し屋が手を出せないでいるうちに、ガンマニアである石田春彦がいたずらに射ち落としてしまった。大上は早速、春彦を水田のところに連れていった。水田の頼みは建築業界誌の記者有坂茉那を殺すことであった。茉那は水田の悪質な手口にかかって潰され一家心中した○○不動産の遺児で、復讐のため××建設及び水田の不正を裏づける資料を集めていた。それを横取りして水田に売りつけようとする左井は、情婦でストリッパーしかも殺し屋を兼ねているユミに茉那を狙わせていた。プロの面目にかけても素人の春彦に仕事は任せられないと殺し屋は春彦殺害を企むが、ナギサが春彦に惚れ、春彦が茉那に恋したことから事件はもつれはじめた。殺し屋達は大上を春彦と誤って殺し、春彦は茉那を助けて水田を敵に廻した。その頃、左井は茉那の資料を盗み水田の還暦祝いのパーティの席上で取り引きしたが、帰途香港に襲われ、情婦のユミもナギサと春彦を争って殺されてしまった。その間に春彦は水田の書斎から資料を盗み出し、茉那の許に逃げ出した。水田は春彦の裏切りに気がつき、七人の殺し屋に二人の殺害を命じた。二人の命はまさに風前の灯であった・・・。