1966(昭和41年)/7/15公開
配給:松竹(受託配給) 製作:創造社
武田泰淳の原作を田村孟が脚色、大島渚が監督した社会ドラマ。撮影は高田昭が担当している。
草深い信州の農村。ある夏、川の氾濫で畑を駄目にした篠崎の娘シノはホップの栽培とニジマスの養殖を計画しその資金を彼女に気のある村長の息子源治から借りたが、その代償に彼女は彼に身をまかせた。シノに惚れていた小山田英助は現場を見つけて、村中に言いふらしたが彼女は平気だった。彼女は仕事が波に乗った一年後、村会議員に当選した源治に心中をせまられた。彼はシノの気持をためしたかったのだ。彼女はその時ふとその気になって彼に従った。彼は死んだが、彼女は首をくくった柿の木が折れ失神しただけで助かった。二人の後をつけた英助は倒れているシノを犯した。これは白昼の通り魔になる英助の第一歩であった。源治は事故死として葬られたが、恋愛は美しい無償の行為だとシノたちに教えた中学教師倉マツ子は事故死とすることに反対した。その夜彼女は同じ反発を抱く英助と結ばれた。シノは村中の非難をあび村を出た。一年過ぎた。神戸で女中として働いていたシノは突然英助の訪問を受けた。そして再び失神させられ犯された。その上彼は抵抗した女主人を殺した。シノは彼を噂の白昼の通り魔と確信したが、警察の取調べに対し、犯人が旧知の英助であることは黙っていた。そして今は英助の妻になっているマツ子に相談してからと考えて手紙を書いた。数週間後マツ子は修学旅行で大阪へ来た。シノは会って相談したが、苦悩するマツ子の言葉はあいまいであった・・・。