1969(昭和44年)/8/27公開
配給:松竹 製作:松竹株式会社
宮川一郎と森崎東が脚本を共同執筆し、渡辺祐介が監督した喜劇。撮影は荒野諒一が担当している。
重盛幸子は昼は店員、夜は父親・平三に内緒でコールガールをやっていた。平三もまた娘に守衛と偽り、ポン引き業に精を出していた。彼は正統派ポン引きを自認し、街頭恋愛仲介を世のためと誇っている。久一は、平三の名人芸に魅せられ弟子入りをした。しかし最初の仕事は大失敗。ヤクザの吉岡組から美智子を引抜き、失神作家菊地に紹介したまではよかったが、菊地が警察へ連行されたことから久一もいもづる式にあげられてしまった。その時久一は幸子を知った。彼女は初めて警察に捕まったものの、平然としていたからだった。しかし幸子は詰問されるうちに平三の写真を見せられ、初めて父の職業を知った。それから間もなく平三は幸子に出張と偽り、久一の身代わりとなって刑務所に拘留された。久一は、師匠の思いやりに大感激、新しい玉を確保して平三の出所を待った。だがその田舎娘は、家出した父を探しに上京したという。同情した平三も人の親、彼女を郷里に帰した。やがて、平三に幸子の行為のすべてが露見した。それは久一が師匠の娘とも知らず、田舎娘の代役に幸子を使ったからだった。しかも、二人は結婚するという。平三はあきれ顔でそれを許すと、夜の街へ新しい幸せを売りに消えていった。