1981(昭和56年)/3/14公開 75分 カラー ビスタ 映倫番号:110185
配給:東映 製作:東映アニメーション
チャイコフスキーの名曲で知られるロマンの香り高いヨーロッパの伝説をもとに東映動画(現:東映アニメーション)創立25周年を記念して製作された。チャイコフスキーのバレエ組曲「白鳥の湖」をそのまま映画用に編曲し、ウィーン交響楽団による演奏という豪華な顔ぶれである。
東映アニメーション伝統の高度な技術を駆使した、丁寧で華麗な画面と美しい音楽が織りなすファンタスティックな名作である。
1981年春「東映まんがまつり」公開作品
昔、ある国に王を亡くした王妃と王子が住んでいました。王子ジークフリートが成人の誕生日を迎える前日、王妃は「明日は国王となるのだから、舞踏会で気にいった姫を花嫁として選ばなくてはなりません」と告げました。夕方になって遠出をした王子は、湖の白鳥の群れの中に、冠をかぶったまるで美しいお姫様のような一羽の白鳥をみつけ、なぜか心惹かれたのです。そして王子は、その白鳥が気高く美しい娘に変身するのを目撃しました。驚く王子に、娘はオデットと名乗りました。元はある国の王女だったのですが、ロートバルトという悪魔の妻になることを断わったために、昼の間は白鳥の姿に変えられていたのです。王子はオデットに、舞踏会に出て私の妻になってほしいと告げました。一方、二人の約束を知り激怒した魔法使いロートバルトは、オデットを監禁してしまい、娘のオディールを連れて舞踏会に出掛けたのです。美しいオデットの姿に化けたオディールの手をとり、花嫁にすると宣言する王子。突然、雷鳴が轟きロートバルトが姿を現わしました。だまされたことを知った王子は、愛の証しを見せるため剣をとって悪魔に立ち向かいます。しかし剣を叩き落とされ胸腔にロートバルトの剣が―。勝ち誇るロートバルトは、オデットに自分の妻になることを承知すれば王子の命だけは助けてやろうとつめよります。オデットが自分を犠牲にしても王子を助けようと決心した時、王子はいきなり剣をつかんで自分の胸に突き刺しました。そして、奇跡が起きたのです。ロートバルトは忽ち、バラバラになって消え失せていきました。真実の愛が魔法に打ち勝ったのです。美しい朝日を浴びてしっかりと抱きあうオデットとジークフリートの幸せな姿はまぶしく輝いていました。
「世界名作童話」シリーズ(7)