1952(昭和27年)/10/2公開 70分 モノクロ スタンダード 映倫番号:822
配給:東映 製作:東映
サラリーマンだけが知るささやかな幸福、楽しい夢ときびしい現実。洒落た諷刺をほんのり利かせた明朗サラリーマン哲学の粋。
赤羽建設株式会社の月給日。会計主任の町田一夫は社員に月給袋を渡す一方で、廊下では借金取りが給料からの取立てのために待ち構えている。町田君も借金取りに狙われていた一人だが、彼は勇気を出して想い人の万里を食事に誘った。だが万里は先約があると素っ気無いそぶり。万里を誘った専務は、社長から二百万円を某省の小石局長のもとにとどけるよう命じられるのだが、専務はこの用事を町田君に押し付けて万里と出て行ってしまった。失意の町田君は二百万円が入った鞄をかかえて自動車に乗る。ところが、町田君はこの二百万を使って、最初に質屋の叔父さんのところからすべてうけ出し、五千円で大狸の置 物を買いとってこわし、溜まっていたアパートの部屋代を纏めて払うなど、ドンドン使い始めてしまう。更に同僚の借金を肩代わりし、更に偶然見つけた専務と万里の目の前に現れて、万里の望むものを何でも買ってやると、そこで鞄の中の現金はすっからかん。だが、万里はピアノを買ってくれと町田君にねだる。一気に窮地に立たされた町田君だったが…。