1953(昭和28年)/10/13公開 100分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1046
配給:東映 製作:東映
徳川三代将軍家光の治世に、武士たちが泰平の御世に馴れて、その本領を忘れ果てているのを歎く御存知大久保彦左衛門が、時の老中に盾ついて大暴れする痛快無比の娯楽編である。
徳川三代将軍家光の治世。江戸は旗本と町奴の対立と切支丹の鎮圧に明け暮れ、不安な乱世を兆していた。神田駿河台の名物爺大久保彦左衛門は、喧嘩に巻き込まれていた大目付三浦左京亮の孫小平太を救い、そのまま駿河台に引き取った。彦左の周りは魚屋一心太助らに囲まれて暢気な毎日ではあったが、大手門にて旗本と大名の衝突が起きた時、旗本に不公平な処罰が科されたことに太助が憤慨。彦左は旗本八万騎にたらいを作らせ、その中に乗って登城し、土井や酒井などの江戸老中らを皮肉った彦左は不公平な処罰を難じ、その帰途に春日局に媚びる天心僧正にも一矢報いた。天心僧正は泉川市郎兵衛の娘千浪を奪わんと画策していた。千浪を慕う小平太は彼女を彦左の元に匿うのだが、天心は春日局と組んで市郎兵衛を謀反の罪で自刃させ、千浪を追い詰める。小平太は千浪を守るために逃げ、切支丹信徒の原主水に助けられる。小平太の行状で大目付の職を辞した左京亮を慰める彦左だったが、偶然小平太と千浪と再会。だがその胸には小さな十字架が光っていた。愕然とした彦左と左京亮。そして捕史が二人の面前で小平太たちを捕縛していく…。