1953(昭和28年)/11/22公開 92分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1159
配給:東映 製作:東映
東映が全女性に贈る歌と涙の珠玉のメロドラマで、甘美なメロデーを背景に発行の姉妹をめぐる愛のよろこび悲しみを描いて尽きぬ感動を誘う哀愁の物語。高千穂ひづるの魅力が美しく輝く。
昭和音楽院の声楽科で学ぶ佐竹美奈子は、芸者として働く姉千枝子に見守られながら、天与の才能と美貌に恵まれた音楽界のホープだった。だが二人の父は美奈子が生まれる直前に母を捨て出奔し、その母も労苦の果てに姉妹を残し世を去るという哀しい過去を背負っていた。だが今は、思いを寄せる助教授高木の指導の元、卒業演奏会の練習に励む毎日だった。しかし、美奈子のアルバイト先のクラブが密輸団のアジトとして検挙され、美奈子は音楽院の保身のために強制退学させられてしまう。学院を離れ美奈子と共に作曲家として立とうとする高木の告白を受け、再出発を計る美奈子だったが、姉千枝子が突然吐血してしまう。しかも高木が美奈子の級友北沢弘子の両親の後援を受け、弘子と共に渡仏することを知り、彼女の前途は暗く閉ざされてしまった。高木は後援を断り美奈子への愛を選ぶが、誤解したまま二人は離れ離れに…。それから幾月かが過ぎ、作曲家として名を売る高木は偶然にも、美声の芸奴として姉の療養費を稼いでいた美奈子と再会する。二人の愛は蘇るかにみえたが、姉千枝子が危篤となり、美奈子は熱海に駆けつける。千枝子は自分達の実の父は作曲家の山岸亮平であると告げて息を引き取った。全てを失い、死を望むようになった美奈子を艶歌師の田宮父娘が救う。一方美奈子を求めながら熱海にやってきた高木は、そこで侘しく暮らしていた先輩の山岸亮平と再会していた…。