1955(昭和30年)/2/7公開 86分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1636
配給:東映 製作:東映
将軍家肝入りの縁組みに端を発して狙われた姫君をめぐる波瀾万丈の白刃、血刃、騒然たる東海道に展開する善玉、悪玉の乱斗に暴れ姫君を守る正義の恋浪人など時代劇の痛快魅力編。
徳川十一代将軍の家斉は、五十三人目の子供・斎邦の病身にして粗暴な性質をもてあまし、作州津山の平松若狭守に押し付け婚することにした。だが、平松家には既に世継ぎとして万之助がおり、当主の兄の娘である美保姫が妻合わすことになっていた。家斉は万之助を廃嫡し姫の出府を促す。そしてその使者に江戸家老の立花三右衛門の倅、十三郎と中村銀次郎を向かわせた。津山藩では万之助に内密に姫を囲んで、城代家老相楽頼母ら老臣たちが協議をするが、そもそも美保姫は斎邦の妻になりたくはないと言う。もっとも、だからといって万之助のことも愛しているわけではなく、実は頼母の息子・矢太郎を一番愛していたのだ。そうとは知らない万之助は姫との結婚を急ぐため、返事を聞くための使いに弥太郎を出す。ところが、弥太郎自身も姫のことを愛しており、この時初めてお互いがお互いの思いを知り固く抱き合うのだった。弥太郎は姫を護るために脱藩するが、万之助は怒り、大山と武村という、かつて矢太郎の友人だった二人を上意打ちの追っ手として差し向ける。ここに、美保姫と弥太郎を巡り、愛憎と陰謀が渦巻く物語が動き始める…。