1955(昭和30年)/5/17公開 100分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1764
配給:東映 製作:東映
貧しいながらも楽しい我が家に人生のささやかな幸福を見出して二十数年のサラリーマン生活を送る目白三平の日常を中心に、現代庶民の姿をユーモアとペーソスを込めて描いたほのぼのとした愛情と笑いに溢れる人生スケッチの傑作。
文部省選定作品
国鉄本庁厚生局に勤める目白三平は、奉職以来ニ十数年、国鉄のレクリエーション誌「国鉄」の校正一筋で勤めてきた。自宅は近郊の路地の一番奥のトタン屋根平屋建てに、細君の文子さん、そして春木君と冬木君という二人の息子と一緒に、雨の日の雨漏りを心配しつつも楽しい家族が暮らしていた。それでも生活は楽なものではなく、文子さんは手編みネクタイの内職に精を出し、三平はその売れ残りをいつもあてがわれていた。靴も顔見知りのウノ木靴店で何年も買い続けているのだが、ある日たまたま三平の靴が履きつぶされたのを見た近所の遠縁村上君は、佐々木靴店で靴を購入してくれと申し出た。村上君は底の看板娘・敏子さんに惚れているのだ。断ることのできない性分の三平は結局佐々木靴店に注文した。さて、三平の一日はこんな感じだ。朝は日本橋の喫茶店「青島」で三姉妹を眺めつつコーヒーを飲み、お昼は食堂でうどんをすすり、食後に東京駅名店街を見物し、時々ハンケチを買ってマツオカ洋品店のネクタイコンクールに一票を投じたりする。そんな日々が幾日か過ぎ、佐々木靴店から靴が出来上がってきたのだが、やっぱりサイズが大きすぎていつものウノ木靴店でこっそり作り直してもらい、結局予算オーバー。ところが、例のネクタイコンクールで一等一万円が当選、思わぬ臨時収入に喜ぶ三平と文子さん。だけどそのことがあっという間に知れ渡ってしまった…。
「目白三平」シリーズ(2)