1956(昭和31年)/8/8公開 86分 モノクロ スタンダード 映倫番号:2327
配給:東映 製作:東映
山手樹一郎の小説を中村錦之助主演で映画化。後の赤穂四十七士の一人、堀部(中山)安兵衛の武勇伝である“高田馬場の決闘”を描いた痛快時代劇。
中山安兵衛は奥州街道を江戸に向かう旅の途中、人足に襲われていたお世津という旅娘を助けた。許婚を頼って上京するというお世津を江戸に送り届けることを誓った安兵衛だが、二人の前に土地のやくざの用心棒が現れた。だがこの浪人と相対して安兵衛は血の気が引く。浪人は江戸随一の堀内道場の三羽烏・村上半之丞だった。旅の侠客・立花屋清五郎が仲に入って事なきを得たが、安兵衛はこの敗北で身の程を知り、堀内道場で剣を磨く決意を固める。江戸に着いた二人は、お世津の許婚である村上邸に向かったが、お世津を見くびる当主・庄左衛門の態度に怒り席を蹴る。お世津を立花屋に預けた安兵衛は堀内道場の門を叩く。武士の保証人がいないために一旦は入門を許されなかった安兵衛だったが、その情熱を知った堀内の知人・菅野六郎右衛門が保証人となり、無事入門を許可された。やがて一心に修行に励む安兵衛は師範代を許されるまでに上達、菅野は彼を高崎藩の指南役に推挙する。だが藩の留守居役であった村上によって妨害され、村上が推す倉本半蔵と私闘を繰り広げることに。このことが原因で堀内道場を破門されてしまうのだが、酒に溺れる安兵衛に、菅野はそっと念流免許皆伝書を差し出した。菅野の計らいで心を正した安兵衛は、お世津と祭見物に出かけるが、そこでお世津の許婚であったあの半之丞と出くわしてしまった。半之丞はお世津に狼藉を働き、それが元でお世津は死んでしまう…。