1957(昭和32年)/6/4公開 58分 モノクロ スタンダード 映倫番号:10190
配給:東映 製作:東映
真田幸村の秘宝を解く雷鳥の鍔をめぐって隠密、豊臣の残党、毒婦、奸商入り乱れ、可憐な美女に迫る剣風の危機。尾上鯉之介颯爽の第一回主演作。
徳川五代将軍・綱吉の治世下の信州の山奥深く、真田幸村の遺した莫大の軍用金と強力な火薬の秘密を守り、幸村の遺臣で鍔師の青池光親は密かに身を隠していた。時の老中・稲葉丹後守は、二人の隠密を放ってこれを探らせたが、三成の孫娘・伊那姫を要して叛乱の機を窺う豊臣の残党によって、その隠密の一人伝八郎が殺され、細川圭之介は消息を絶った。丹後守は兄・伝八郎の志を継ぎ、男装をして敵地へ乗り込むと申し出た仮名江と柳生門下の青年剣士・本間滝太郎の二人を再び信州に向かわせたが、光親の居所をつきとめたときには既に光親と娘の早百合は行方をくらませた後だった。その頃光親は、己に迫る数々の危機を悟って、温泉近くの山中に籠り、真田の秘密を彼の傑作雷鳥の鍔の中に刻み込もうと精魂を傾けて彫り物に取り掛かっていた。滝太郎と仮名江は光親の小屋を探り当て、言葉巧みに光親の小屋に一夜の宿を求めようとしたが、光親はかたくなにこれを拒む。光親は遂に雷鳥の鍔を仕上げると同時に、精魂を使い果たして息を引き取った。早百合は父の遺言通りにこの鍔を兄の光次郎のもつ雷鳥の小柄と合わせてその謎を解くために江戸に向かおうとした。その雷鳥の鍔を巡って、激しい乱闘が続き早百合は滝太郎の力を借りて敵の刃を潜り抜け必死に逃れようとするが、遂に追い詰められ、問題の雷鳥の鍔は早百合の手により谷底に投げられてしまった・・・