作品検索

作品紹介

霧の街

The Town in The Fog

1957(昭和32年)/6/18公開 97分 カラー シネマスコープ 映倫番号:10201 
配給:東映 製作:東映

日清条約をめぐって風雲暗き明治の世に清国要人として政界におどる元旗本・浅香礼一郎を囲む絢爛の恋と激動の波乱。東千代之介の現代劇主演第二作。

NO IMAGE

ストーリー

明治文化の開花期、蒸気船の甲板には清国・李鴻章の最高顧問として日清条約の鍵を握る張啓林の端麗な横顔が重くたれこめた夜霧に濡れていた。張啓とは仮の名、実は日本人・浅香礼一郎の胸裡には静かに流れる夜霧と共に愛人・志乃の面影と西南戦争での悲惨な思い出が横切っては消えていった。礼一郎は志乃に横恋慕している隊長・鬼頭の罠にかかり、戦場で志乃の兄を殺してしまったのだ。勝利は収めたのだが、志乃へ顔向けできない礼一郎は親友・源助に一切を頼み、勝利に酔う群衆の影を霧の中へ姿を消していったのだ。礼一郎は張啓林として歓迎され、今は深川の木場に働く弟・壮二郎や志乃の消息を聞いた。志乃は鬼頭の名ばかりの妻であった。立身出世に餓鬼の目を走らせ、日清条約を破滅に導きあわよくば天下を握ろうとする赤心党の黒幕である鬼頭に愛情を寄せることができなかったのだ。鹿鳴館では礼一郎の送別舞踏会が華やかに開かれていた。静かに流れるロンドにのって踊る礼一郎と志乃は幾年ぶりかの思いもかけぬ再会にただ二人だけの世界で踊っているようであった。出航合図のドラが鳴り響く。故国よ、さようなら!霧の港に壮二郎の兄を呼ぶ声が船の後を追う。礼一郎の船には、赤心党と手を結ぶ清国反政府派の紅衣団の刺客が潜んでいた。危うくもその虎口を逃れた礼一郎は再び東京に戻り、密かに源助の元に身を隠すが、紅衣団が清国使節団来朝をきっかけにある画策を練っていることを突き止める・・・

霧の街
(C)東映
ページの先頭へもどる
一般社団法人 日本映画製作者連盟・会員(4社)