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仇討崇禪寺馬場

Temple of Revenge

1957(昭和32年)/6/25公開 92分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:10213 
配給:東映 製作:東映

武士の意地で若輩の藩士を斬って国表を離れた男が、求められるままに仇討の刃をうけようとしながら、女の恋の炎に負けて苦悶、遂には発狂して無残な最期を遂げる迄を描く。

仇討崇禪寺馬場
(C)東映

ストーリー

正徳5年(1716年)、晩春の大和の郡山城。武芸の鍛錬を誇る藩主・本多忠直は、名門・柳生藩主を客人に迎え、藩内の武芸大会を開催。年少組勝者・遠城宗左衛門が本多家武術師範・生田伝八郎に挑戦する最後の試合となった。伝八郎の一刀流に対して、自家の流儀を使う宗左衛門に向ける柳生藩主の眼は贔屓目となった。木刀がわずかに伝八郎の小手をかすめただけで、柳生藩主の御声掛かりで伝八郎の負けと決する。短気の藩主・忠直は、忽ち伝八郎の役目を取り上げる。生田家の養子の伝八郎は家に帰ると、妻からの非情な言葉に憤然とし、家を出る。折も折、伝八郎は城下で友人たちと気炎をあげる宗左衛門と行き会ってしまう。親切心から慢心になることを諫めた伝八郎は、不遜な態度をとった宗左衛門を斬り捨ててしまい、その足で難波へと逃れ去る。この一件を知った藩主・忠直は、己が虚栄を飾らんがために、宗左衛門の二人の兄・治左衛門と喜八郎を脱藩させ、伝八郎を討つように命じる。難波で沖仲仕頭・万造の家で、人足監督の仕事を得て働く伝八郎は、この一件を聞き及び、兄弟を不憫に思い討たれる決意をする。さて、万造には娘・お勝がおり、伝八郎を秘かに愛していた。伝八郎はお勝には内緒で、果たし合いを明朝六ッに崇禅寺馬場でと決める。だが、崇禅寺馬場の果たし合いは無惨に終わる。伝八郎の身を案じたお勝が人足たちに助太刀をさせ、伝八郎が止めたにもかかわらず、哀れ遠城兄弟を悲惨な返り討ちにしてしまったのだ。実情を知らぬ世論は卑怯な返り討ちに激怒。小郡山から兄弟の母・こうと伝八郎の養父・江平が崇禅寺の兄弟の墓に詣で四十九日の法要を営もうとするその夜明け、自責の念で狂った伝八郎は兄弟の亡霊におびき寄せられるが如く、馬場へとやって来る。伝八郎を狂気へと追いやってしまった自責の念に苦しむお勝も一緒だった。激怒し手討ちにしようとする江平を、お勝が短筒で牽制するが、狂気の伝八郎がお勝を切り捨てる。お勝は一緒に死のうと伝八郎に短筒を放つのであった。手傷を負った伝八郎は斬り捨てられる。よろめき倒れる伝八郎の先には、お勝の骸が倒れていた・・・。

仇討崇禪寺馬場
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