1958(昭和33年)/5/7公開 82分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:10649
配給:東映 製作:東映
やくざの世界にあこがれる一少年が、母の愛情も振り捨てて悪の泥沼に足を踏み入れ、刑事の兄と宿命的に血を流し合う姿を、壮絶な都会の暗黒面を背景に描く異色作。
雄次は麻雀屋をやっている母と二人きりで暮していた。兄の真一は家を出て、警察官になっている。下宿の娘と婚約したという。兄に捨てられたと思った雄次は兄を憎み、界隈のやくざ大山組にいつか出入りし始めた。母の麻雀屋に目をかけてくれるのを恩に着ている。近所の三流キャバレーの女給みどりに大山は言いふくめて雄次をあやつろうとし、雄次はまんまと騙された。大山組はヘロイン密売の事で西川組と争い始めた。大山組は密売の連絡場所に、雄次の母の麻雀屋を利用いていた。雄次はみどりの歓心を得るために躍起になり、西川を殺してしまった。真一は密売の件を嗅ぎ付けていた。その彼へ殺人の犯人は弟だという怪電話がかかってきた。女の声だ。真一は弟を捕えねばならないと思った。俺と同じ道を歩かせたくない。彼は六年前までは大山組のやくざだった。やはり殺人を命ぜられ殺人未遂を犯し、自ら命を断とうとした時、塚田刑事に助けられ、一人前の警察官になったのだ。みどりは彼と婚約していたのだがそれ以後、大山の情婦にされ、今は娼婦に転落した。真一は雄次を捜して回る。怪電話の主はみどりだった。真一は単身キャバレーに乗り込んだ。みどりから雄次の行方を掴もうとした。そこへ雄次が現れるが・・・。