1959(昭和34年)/3/3公開 58分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11084
配給:東映 製作:東映
新聞社に送られてきた若い女の投書から二年前の殺人事件の真相があばかれてゆく。鉄格子に泣く無実の男の真実を追い求める。敏腕青年記者の闘魂を描く社会部記者物第一作。
日本新聞の社会部デスク・谷村に一通の投書がとどいた。谷村の傍で熱気溢れる若手記者清水浩平記者の声が響く。その投書は田宮洋子という若い女が差出人だ。兄・田宮滋の“学生殺し”の無実を訴えていた。事件は一昨年、横浜で起きた。学生竹井と派手なケンカをし、その帰途を襲ってペンチで殴りベルトでしめ殺したという。すでに無期懲役に服している。事件後十日目にやっと自供していた。谷村の部下・若手記者青木浩平はこの投書が忘れられなかった。若い一本気な正義感はこの時既に事件の真相を探る意欲に燃えていた。美容院で働く洋子を訪ね、滋が自分から控訴を取り下げた事を聞き、不審に思って横浜刑務所の滋を訪ねた。滋はよそよそしい態度で彼を迎えた。少年院出で世間を憎んでいるふうだった。が、妹の悲しみを知らされると、泣きながら真相を話した。その夜、彼を襲ってペンチを奪った大男が丁度きかかった竹井を殺した。竹井は大男を知っているふうだったと。滋が偽の自供をした原因は、信じていた婚約者のチエまでが自分との関係さえも認めず、不利な証言をし絶望したからだった。例のケンカは、チエのアパートで竹井が酔って絡んできたが、相手にしなかっただけだという。チエはお針子から今はファッションモデルになっていた。彼女は滋が竹井にシットし殺したと言った。男関係を洗うと、川崎という男がいることが判った。浩平は洋子の協力でチエと川崎に近づいた・・・。
「特ダネ三十時間」シリーズ(10)