1959(昭和34年)/4/8公開 68分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11168
配給:東映 製作:東映
東北の山村を舞台に、小さい時少年に拾われた山犬の仔が、大人たちの迫害に晒されながら少年の愛情に抱かれて強く逞しく成長し、やがて主人の生命を救うという動物物語。文部省選定
秋から冬になると山には食料が欠乏し、山麓の村々では野犬が凶暴に走り回り、家畜は荒された。そこで村長を中心に猟師の三造や源治達で山犬狩を行った。三造は古風な村田銃を自慢にしていて、妻のおゆきと孫の文平との三人暮らしだ。ある日、文平は村長の娘道子を誘って百間滝の魚釣りも帰途、可愛い子犬を拾った。仔犬の名は百間滝で拾ったので「百」と名づけられた。百は文平になつき、文平も百を飼ってから元気になっていった。また今年も冬になり、文平は百と共に三造に連れられて猟を助けた。百は風で獲物を嗅ぎ分け、一日に兎を五、六匹平均獲る猟犬になった。百は村中の評判となり、道子の提案で百に最高殊勲賞の新しい首輪が与えられた。それをこころよく思わなかった源氏の息子清助は、秋田犬のマツと百を戦わせたが、百にはかなわなかった。しかし、血を見た百は興奮し道子までも傷つけてしまい、東京へ売られることになった。百は文平を思いいつも空を仰ぎ、長く声をひいては吠えた。文平は寂しさのあまり百を思い出していた。一方、三造の病気は悪化しこの世を去った。その頃、百は文平に会いたい一心で犬小屋を飛び出した。百は国道を一筋文平のもとへと向かう。百の逃走を知った藤井と与八は、自分達の悪事を百に押し付け犯人に仕立てあげる。そんなこととは知らない百は、やっとの思いで村に帰ってくるが・・・