1959(昭和34年)/5/13公開 85分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11198
配給:東映 製作:東映
単なる米兵脱走としか思われなかった事件が、一新聞記者の勘と斗魂により意外な発展を遂げ、霧の横浜を舞台に暗躍する国際密輸団の実体を暴く暴力と悲恋の犯罪ドラマ。
毎朝新報の横浜支社に勤務する青年記者、永瀬一郎は後輩の渡辺から米兵ロバーツの脱走情報を聞かされた。神奈川県警の佐々木らのベテランたちが捜査に動き出したのを知ると、永瀬一流の勘は早くも事件の背後を嗅いでいた。ロバーツ失踪の背後には、大陸関係をめぐる大きな密輸犯罪があるらしい。そんな折、佐々木が郊外の崖下で無残に殺害される。佐々木は殺害当夜、某キャバレーにいたことが判明し、そこの経営者は黒崎という男だった。そしてまたもや芝海岸に漂流死体があがった。それは問題の米兵ロバーツであった。永瀬の情熱を買った毎朝本社は国際スパイ戦の犠牲者という見出しを掲げ、ロバーツ怪死をトップに飾り、永瀬の応援として山中を横浜に向けた。永瀬は黒崎の周辺を探ろうとして歌手のエミに近づいた。永瀬はエミの虚偽を見逃さない。エミはいつしか永瀬の男らしさに惹かれていった。黒崎は中国人鄭と麻薬などの密売をしていたのだ。ロバーツも佐々木もこの一味の裏を知りすぎたためにあの惨劇を招いたのだ。エミは不幸な境遇を黒崎に救われた恩義に縛られ、惨劇の現場にも居合わせたが一味の悪から逃れたかった。だが蜘蛛の巣にかかった獲物を、そのまま逃がすような彼等ではなかった。そんなとき、密売の取引をしている一味を警察が取り囲んだ。黒崎はエミを盾にして逃げる。永瀬と山中も乱射する黒崎の拳銃をよけながらこれを追う・・・