1959(昭和34年)/9/13公開 105分 カラー シネマスコープ 映倫番号:11303
配給:東映 製作:東映
代表的歌舞伎作家近松門左衛門の名作″梅川忠兵衛の恋″の映画化で、錦之助の忠兵衛、有馬稲子の梅川に加えて千恵蔵が近松に扮して登場する時代劇の問題作。
浪華飛脚問屋・亀屋の養子、忠兵衛。ある日、同業丹波屋八右衛門に新町廓に連れられて、遊女梅川を買った。気の進まぬ忠兵衛だったが、彼女の頼みで一夜を明かす。梅川の情の深さが彼を捉え、それからの忠兵衛はそわそわと落ち着かない。梅川のもとに通う彼の金遣いの荒さに気づいた義母の妙閑は、忠兵衛を江戸に発たせることにした。一方梅川には、身請けの話が持ち上がっていた。相手は、小豆島の田舎大名布袋屋藤兵衛である。旅姿のままつい寄った忠兵衛は、それを聞かされ、持っていた八右衛門に届ける五十両を、手付けに置いた。身受けの金は、二百五十両。武家の為替三百両を届ける用事が、忠兵衛に命じられると、彼は金を懐に廓へ行ってしまう。梅川の主人をはじめ、皆が忠兵衛を馬鹿にする。あまりの悔しさに握り締めた懐の小判の封印がきれ、三百両がこぼれ落ちた。それを差し出し、梅川を連れ去る。しかし、天下の御法度、三百両の封印切りでいく先々には、厳しい捕手の眼が光るのであった・・・。