1961(昭和36年)/9/6公開 91分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:12343
配給:東映 製作:東映
雪深い北陸の町に芽生え、古い因襲に打ち勝てずに消えていった高校生の純愛を詩情豊かに描いた、水木・佐久間主演、富島健夫原作「雪の記録」の映画化。俊英村山新治監督の冴えたメガホンにより、大ヒットした珠玉編。
海彦は雪深い海辺の町に向かう電車の中にいた。手には「アイタシ スグカエラレヨ ユキコ」と打たれた電報を握り締めて。車窓から見える淡雪に、海彦は少年の日の記憶を思い出していた。…四年前、高校一年生の海彦は父と二人でこの海辺の町にやってきた。転校初日の朝、通学する汽車の中で、彼は一輪の花のように清楚な少女の姿を見る。最愛の母を無くした心の傷を、海彦はその少女によって癒されていった。やがて二年に進級したある日、二人は初めて会話を交わすことが出来た。少女は志野雪子と名乗り、やがて仲良くなっていった海彦に、大学受験を勧めた。家が貧しかった海彦だったが、それから密かに勉学に励むようになる。その頃、雪子を狙っていた不良生徒の和田が、海彦と雪子の関係を妬み危害を加えてきた。涙を浮かべる雪子を抱きしめる海彦。そんな二人を、海彦の親友である藤田が庇ってくれた。ある夏の日、海彦の父が死んだ。独りぼっちになった海彦の家に雪子が何度と尋ねてきて、二人の中は学校中の知るところとなる…。