1963(昭和38年)/1/3公開 94分 カラー シネマスコープ 映倫番号:13025
配給:東映 製作:東映
「豪華絢爛」の言葉がピタリと当てはまるのが、東映時代劇全盛期のオールスター映画。まさに日本一、天下無敵のかけ声がかかってもおかしくないケタはずれの超豪華版。本作は、「任侠清水港」「任侠東海道」「任侠中仙道」とつづいた清水次郎長と子分たち二十八人衆の活躍を描いたシリーズの最終篇として製作された文字通りの東映オールスター巨篇。監督はベテラン松田定次。
麗峰富士を望むここ清水の町は、今売り出しの次郎長が初めて開く花会に詰め掛けた諸国の親分衆で大変な賑わいだった。一人息子の名付け親である次郎長に、誕生日を迎えた太郎吉を見せようと女房お新ともどもこの清水にやって来た吉良の仁吉は、宿屋で兄弟分・神戸の長吉の突然の訪問を受けた。お新に気がねする長吉の態度から用件は仁吉にもすぐ分かった。案の定、長吉は親から譲りうけた荒神山の縄張りをお新の父・安濃徳に腕ずくで奪われたのだった。仁吉は太郎吉を次郎長、お蝶夫妻に見せると宴会も断って一路安濃へと向った。一度は義理を尽くして頼み込んだ仁吉も、甲州の親分・黒駒の勝蔵の後盾で強気一点張りの義父・安濃徳の姿に決心を固めた。事を知ったお新は「私がお父っつあんを説き伏せます」と旅立ったが、見送る仁吉は断腸の思いだった。頼み状と偽って、お新への去り状と安濃徳への果し状を女房に持たせたのだ。