1963(昭和38年)/10/5公開 80分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13338
配給:東映 製作:東映
“天地正大の剣”を追う剣客、公儀隠密、怪盗、野盗、浪人らの激突を、鳴動続く富士山を背景に、近衛十四郎と松方弘樹の親子コンビでサスペンス豊かに描いた痛快時代活劇。
江戸中期。富士山が不気味に鳴動するなか、浪人の牟礼大蔵が芝増上寺の御霊屋から宝剣を盗み出した。その一部始終をかげろう小僧の巳之吉という男がじっと伺っていた。盗み出した宝剣は天地正大の剣といい、表と裏に「風」「雲」という字が刻まれている。かつては富士浅間神社の宝剣だったが、増上寺に奉納された稀代の名刀である。事件が公になることを恐れた老中・安藤対馬守は、公儀隠密の服部寅次郎に追跡させる。一方大蔵は、盗人・巳之吉らの視線を感じながらも小田原の旅宿にたどり着いた。そこで待っていたのは大蔵の父である剣客・牟礼幽玄斉とその世話をする娘・おゆう。幽玄斉は幕府の政道が理に合わないことで富士山が怒り始め、それを静めるには天地正大の剣を納める以外にないと信じ、大蔵に奪還を命じたのだ。だが突然、彼らに巳之吉が襲い掛かり、難なく撃退したかと思えば今度は寅次郎ら隠密団が襲撃。幽玄斉が倒れ、逃げたおゆうは宝剣を谷底に投げ入れてしまった。懸命の捜索が続く中、山の娘・わらびに拾われていた宝剣は、風魔の弥藤太に持ち去られる。富士浅間流の再興を目指して宝剣を求める浅間寛四郎も加わって、天地正大の剣の争奪戦はいよいよ熾烈を極めていく…。