1963(昭和38年)/11/20公開 92分 カラー シネマスコープ 映倫番号:13217
配給:東映 製作:東映
南条範夫の同名小説を映画化。父を殺され、忍者に育てられた右京之介が、逆一文字という剣法を編み出し、仇を目指して幕府の黒幕と対決する。
徳川九代将軍の頃、神変無想流の達人・瀬名伝右衛門が巡察使に任命された。それまでのいい加減で各藩主からの賄賂で私服を肥やしていた者とは違い、伝右衛門は将軍の名代として厳しく政道の調査を続けていった。そんな中で信州高島藩の不正を見つけるも、老中・酒井雅楽頭らの差し向けた忍者の襲撃で証拠となる絵図面を奪われ、息子・市太郎の目の前で切腹したのである。それから十数年。若党伍平に救われ、秩父忍者の頭・佐々良道鬼に拾われた市太郎はたくましく成長し、武術の腕前も上達していった。そんな市太郎を誇らしげに見守る道鬼だったが、その市太郎こそ、自分が雅楽頭の命で亡き者にした巡察使伝右衛門の子だと知り驚愕する。だが道鬼は市太郎を手放すことが出来ず、「紫右京之介」という名を与えて自分の娘・紅を嫁がせ、秩父忍者を受け継いで欲しいとすら考えていた。だが右京之介は伍平とともに、父の仇を探しに諏訪へと旅立つ。道鬼は雅楽頭の命により二人を殺すことを決意、刺客として次郎丸を向けさせる。遂に右京之介も父が殺された原因である絵図面の存在を知り、そして、自分を育ててくれた道鬼こそ父の仇であることを知る。怒りに燃える右京之介は、小仏峠にて八人の忍者を従えた道鬼と、遂に対峙することとなる…。