太平洋戦争末期、南海の一孤島に所在する海軍戦闘機隊基地を舞台に、無謀な戦争の悲劇に苦悩しつつも一途な祖国愛に燃えて淡々と死地に赴いた神風特攻隊員たちの悲しくも雄雄しい群像を描いた感動作。
或る時は鰐と呼ばれる麻薬ギャング、或る時は紳士の仮面を被って白昼の都会に住む冷酷無情の男、恐るべき麻薬患者の生態と、悪の跳梁におののく真人間の怒り、地獄迄もと追う、執拗な恋など、空前の迫力篇。
人間山下泰文の生ける姿を追求しながら、大いなる日本の悲劇を衝く雄渾の大作。「ひめゆりの塔」に次いで各方面より注目を浴びた問題の野心作で、早川雪舟一代の名演技が見る者の心を搏って胸にせまる。