1969(昭和44年)/8/27公開 92分 カラー シネマスコープ 映倫番号:16015 R18
配給:東映 製作:東映
実際に起きた異常ともいえる五大愛憎事件を、スキャンダラスに描き話題を集めた過激問題作。昭和35年に起きた「東洋閣事件」を皮切りに、「愛のコリーダ」のモデルにもなった「阿部定事件」、それに引き続いて各地でおこった「象徴切り事件」、敗戦の年に7人の女を強姦・殺害した「小平義雄強姦殺人事件」、明治の代表的毒婦「高橋お伝事件」まで猟奇犯罪を実録タッチでショッキングに描ききる。事件の当事者でもある阿部定の特別出演が公開当時大きな話題を呼んだ。
村瀬は、監察医務院の執刀医である。毎日運ばれてくる女性の変死体。見るたびに、村瀬の頭には、自殺した妻の事がよみがえる。なぜ、事件が起こる?女が犯す事件の数々を、村瀬は思い浮かべていく…。
【東洋閣事件】
昭和35年に、ある温泉街で土産物屋を経営していた宗方絹代は、その美貌でホテル「東洋閣」の経営者・斉藤の愛人となる。「東洋閣」売却の計画を知った絹代は殺し屋・渋谷を雇って斉藤の妻千代を殺した後、斉藤自身も殺害。さらには渋谷も殺してしまうが、内偵していた栃木県警に逮捕される。
【阿部定事件】
不良少女の阿部定は遊郭に身を転じて結婚にも失敗。石田吉蔵の経営する料亭に住み込んだ。石田は定に一目惚れ、定も思いを寄せていたから瞬く間に二人の情事は重なる。ついに家を飛び出しさらに情交にふけるが、だが想いが深まっていく定に恐れをなす吉蔵。嫉妬と焦燥の念に駆られた定は、吉蔵を殺害したのち局部を切ってしまう。
【象徴切り事件】
阿部定事件の衝撃は、連鎖反応として数々の類似事件を引き起こす。高知では煙草屋の女将とらが可愛がっていた若い情夫に邪険にされたことを恨み局部を切り落とす。昭和28年には上田八千代が旦那の浮気現場に乗り込み下腹部を切断して逮捕された。そのほか数々の事件を通じて、男と女の本性を追及していく。