1976(昭和51年)/10/16公開 110分 シネマスコープ 映倫番号:18816
配給:東映 製作:東映
被差別部落出身のため差別・偏見・迫害にあっていた数多くの人々の先頭に立って、人間解放の闘いを進めてきた松本治一郎の若き日の波乱の半生を描く。
明治41年、徴兵検査の際、被差別部落出身ということで差別した軍の係官と争った治一郎は、不合格となり、差別のない世界を求めて大陸へ渡る。しかし大陸も国内と同様で、治一郎は失意のうちに帰国し、用水路の工事現場で働くようになる。ここで治一郎は不当な差別に対し敢然と立ち上がり、様々な立場の人々を助け、部落の人たちから慕われるようになる。やがて、部落解放運動を進める水平社という組織の存在を知った治一郎は、解放運動の道を歩み出す。差別連隊への入隊拒否運動、逮捕、連日の尋問、そして有罪判決――。怒りを行動に表して、続々と集合する日本農民組合や労農党福岡連合会の人たち。治一郎は静かに口づさむ。「暴虐なる君はわが手足を縛するを得べし。しかれども、わが心縛するべからず」