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蛇と鳩 

1953(昭和28年)/4/9公開 102分 モノクロ スタンダード 映倫番号:928 
配給:東映 製作:東映

現代社会の悪と矛盾を真正面から掘り下げ、終戦後の日本の特徴の一つともなった新興宗教に取材して、人間の毒素を強烈な色彩で描いた文芸異色野心作。

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蛇と鳩 
(C)東映

ストーリー

吸いさしの煙草を無感動に拾い上げるほどに落ちぶれた男、緒形衛司。彼はある日突然、昔勤務していた鉄鋼会社の専務古久根恒に拾われ、居候となった。古久根には妻の三貴と子供が二人がいて、三貴の妹千恵が時折家を訪れていた。緒形は古久根からある男を捜すように命じられた。逞しい肉体と白い肌、瞳の美しい鋭い印象の男を捜せという。古久根は、花背供助という老事業家の命を受けて、新興宗教を設立して金儲けを企んでいるのだ。緒形は千恵を愛していなければ、直ぐにでも古久根の元を立ち去りたかった。だが京都へ旅立った緒形は理想どおりの行者を見つけ出した。浅香忍という名の行者を京都から東京に連れて帰る緒形。だが、彼が新興宗教の調査をしている間に、古久根は千恵の無心な寝顔を見て残忍な笑顔を浮かべる。そして間もなく、千恵は古久根家から離れ消えていった。さて忍を教祖に立てた新興宗教「紫雲現世会」は開始され、古久根の計画以上に信者が集まり溢れかえった。だがその裏で古久根は社長秘書の吟子に溺れ、三貴は嫉妬に狂い現世会の信者となって祈祷に我を忘れるようになった。抑えがたい良心の苦痛に喘ぐ緒形の前に、千恵が戻ってきた。二人は現世会の所業を暴露する覚悟を決めたのだが…。

蛇と鳩 
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