1955(昭和30年)/8/14公開 61分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1888
配給:東映 製作:東映
堀雄二扮する二代目石松と柳谷寛扮するキノキンのコンビが白熱する桃色合戦の渦中で大活躍。監督はシリーズ生みの親の小石栄一。魚河岸の桃色旋風もようやく収まりかけた今日この頃、キノキンが昔別れた母を訪ねる旅立ちに同情した二代目石松、まずは東北地方に足を伸ばしてお決まりの素寒貧。ここから事件は始まって例のごとくの女難騒動が持ち上がる。手に汗握る危機の連続を、小唄勝太郎や浅草〆香の美声の民謡で地方色に包んで描く。
キノキンは、五つの時に生き別れた母がどこかに生きているという人の噂を頼りに諸国行脚に出ようとする。その純情ぶりに同情した石松も一緒に探しに出かけるが、母が住んでるという噂の会津磐梯山のほとりに着くと、母は既に山形に引っ越したあとだった。それではと山形の真室川に着いたら、今度は新潟の佐渡島に渡ったという。だがその段階で二人の旅費は底をつき、キノキンは丁度開催された真室川音頭大会に出場して一等を勝ち取る。だが手に入ったのは賞金ならぬ賞品の牛一頭。何とか牛の持ち主と再会して代金を手に入れ、まずは腹ごしらえと入った飯屋で旅回りの一座と出会い、新潟に向かうと聞いて一座に同行することに。だが一座の先乗りが前金十万円を持ったまま消えてしまい、借金返済のために一座のマリ・ブリ・デン助が料亭で酒宴に参加させられ貞操の危機。すんでの処でこの危機を石松が助けたが、借金十万円の返済問題はいまだ解決せず。そこへ偶々現れた芦屋夫人、佐渡の金山に視察に向かうというので石松は秘書役を買って出て、給料十万円を前借して無事借金返済を果たした。旅芸人一座とはここで別れて芦屋夫人と佐渡島に渡るのだが、金山の支配人・黒田はなんと芦屋夫人と石松を立ち入り禁止の坑道に誘い込み、生き埋めにしてしまおうと企んでいた…!
「魚河岸の石松」シリーズ(11)