1955(昭和30年)/12/20公開 88分 モノクロ スタンダード 映倫番号:1970
配給:東映 製作:東映
善良なる魂が酒・女・暴力・恐喝・殺人と汚れゆく過程と社会の矛盾を描き、併せ美しく尊い母と子の愛情を描いた良心作。
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夫の修造を事故で失った時、峰男・由利子・敏也・悦子という四人の子供を抱えた妻のまき子は涙すら出なかった。父親という支柱を失い、子供たちを育てるためにまき子は必死になって働くしか術は無かったのだ。長男の峰男は両親の溺愛を受けたためか素直な性格を曲げていったのだが、父親の死によって一度は学業に身を入れ直そうと試みた。だが、社会の目は冷たく、いつしか学校にも寄り付かなくなった峰男は、拳闘クラブに出入りし始めた。それでも最初は拳闘家として成功することで母を喜ばせようと考えたのだが、秀才の弟・敏也や由利子たちが兄の無能を争うようになり、マッサージ師となって一家を支えるために忙しなく働くまき子も峰男を見つめることも出来ず、峰男は次第に家からも離れていく。そして街で知り合ったミツコという女と結ばれ、彼女とドサ廻りのストリップ一座に加わり旅に出てしまった。それから五年。いまだ自分の身体に鞭打ちながら働くまき子だったが、母を助けて社会に出た由利子や苦学生となりながらも学業に専念する敏也らと慎ましくも幸せな日々が戻ってきたかに見えた。そして由利子に伊藤という恋人ができ、婚約が纏まりかけたある日、峰男がうらぶれたミツコとともに、家に帰ってきた…。