1957(昭和32年)/4/23公開 88分 カラー シネマスコープ 映倫番号:10089
配給:東映 製作:東映
ウラニウム原鉱発掘に絡んで殺された父の仇を訪ね、暴力が支配する町に乗り込んだ鉄血の男の冒険。知恵蔵の拳銃と鉄腕が嵐を呼んで唸り飛ぶ。
激波のしぶきが白い牙の様に舞い上がっては消える岩礁の見える海岸線。そこで身許不明の男が疾走する列車から転落して即死した。岬の町に降り立った船員風の男が探るような眼で見渡した。彼の名は滝村慎吾、二週間程前にこの町へ来たまま消息を絶った父の身を案じて、この奇異な町を訪れたのだ。ホテルに宿をとりそこを足場にして父の消息を求めたが、不思議な事に町の人たちは誰一人として慎吾の質問に乗ろうとしない。あまつさえ慎吾の行動に眼を光らせて、怪しい尾行の影が付きまとった。何かある!不吉な予感を感じた慎吾は、その男たちが町の顔役・田部一味の配下である事を探った。この一帯は田部の凶悪な支配下にあり、その権力に押さえつけられてひしめく人々が絶えず怯えた生活を続けているのだ。山本窯業の仙助一家もその一人。山を担保に借りたお金の名義がいつの間にか田部に書き換えられ、執拗な脅迫が繰り替えされた。田部を恐れて誰一人、慎吾に協力しない中にあってホテルの主人、仙助父娘、トランペット吹きでまだ見ぬ父親を探している稔が慎吾に小さな力を貸してくれた。慎吾は山道で父親のピッケルを持つ木樵に会い、ピッケルのあったという炭焼小屋を訪ねるが、小屋は慎吾の姿を呑んで爆発した。危うく一命を拾ったが、それが田部の差し金である事を知った。その山には数十億円する莫大なウラニウム鉱が秘められ、田部の他にもウラニウム鉱を狙っている者がいたのだった・・・。