1957(昭和32年)/6/4公開 89分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:10214
配給:東映 製作:東映
無実の罪に泣く死刑囚の訴えに、真相究明に起った無頼の記者が、暗黒街の脅迫に屈せず、遂に一証人の偽証を暴くスリルと愛情の犯罪ドラマ。
暴露新聞関東タイムスの記者・土居は、強請専門の不良記者として悪名を馳せている。ある日、土居は警視庁内で「俺は無実だ!」と叫んでいる男、横田を見かけた。横田は戦時中、殺人で死刑を宣告されていた。土居は早速、横田をネタにし、「真犯人は他にある」とセンセーショナルな見出しで売った。土居にとって真相に興味はなく、要は記事が金になればよかったのだ。土井はその記事でかつての横田の雇い主の影山をも強請り、バー「黒猫」のマダム・美智子もそんな土居に愛を失っていく。そうした中で一人だけ土居を信じ、頼り切っている横田は、土居に執拗につきまとい無実を明かしてくれと叫び続けた。土井は荒んだ胸の中で、ふと横田は本当に無実なのかもしれないと思い始めた。土井は横田事件で目撃者として証言した杉浦を訪れたが、杉浦のいらだつ様子に不信感を抱く。ようやく横田の同僚の内山を訪れるも、内山は何者かに殺されてしまう。横田の無罪を確信し始めていた土井は、杉浦の娘・朝子と親密になり、杉浦が金欲しさに影山に脅されて偽証を行ったことを知る。同じ頃、影山は一人の無頼漢の始末に手を焼いていた。黒木というその男こそ、横田事件の真犯人であった。ある日、土居は新聞社社長の谷の紹介で影山と会い、事件から手を引いてもらいたいと依頼を受ける。しかし、土居は断った。そして、一夜、横田が忽然と姿を消した・・・