1957(昭和32年)/7/23公開 92分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:10272
配給:東映 製作:東映
不気味な紅蜥蜴と胡弓の音が呼ぶ将軍愛妾連続殺人事件。銅銭会の大陰謀に挑む町奉行・曲淵甲斐守、そして瓜二つの素浪人・白旗弓之介の獅子奮迅の大活躍を描く。
天明六年三月、江戸城中の桔梗の間にて、新番四百石・佐野善左衛門は時の老中・田沼意次に斬りかかった。意次はかろうじてかすり傷だけで済んだが、これは意次の悪政に対する佐野の死を賭けた抗議だった。名奉行と噂の高い曲淵甲斐守、松平越中守の情けも空しく、時の家治将軍は意次の娘である津田の方の言葉を聞き、佐野一族の追討を命じる。かろうじて善左衛門の妹・菊絵だけは曲淵甲斐守と瓜二つな浪人・白旗弓之助の手で救出されたが、一族は全滅。菊絵は亡き兄の遺志を継ぐ決意を固めるのだった。一方、刀傷沙汰で長男の意知を失った意次は、津田の方と共謀して益々専横を激しくして甲斐守の失脚を謀り、謎の白髪の老人を頭とする秘密結社「銅銭会」と手を結んで幕府転覆を画策する。銅銭会の魔の手は大奥にも伸び、お半の方を爆殺。そして新たに大奥に入ってきた四人の娘のうちの三人までをも惨殺する。事件の場所には必ず紅蜥蜴の不気味な姿があった。家治はこの事件に激怒し、甲斐守に下手人捜索を厳命する。さて、菊絵を救った弓之助は、実は甲斐守の従兄弟。故に甲斐守と瓜二つであった。甲斐守と出会った弓之助は、菊絵、そして新お部屋様の最後の一人・万里子姫らを守るために銅銭会を追う。