1958(昭和33年)/1/29公開 59分 モノクロ スタンダード 映倫番号:10496
配給:東映 製作:東映
生みの母と育ての母。二人の母に挟まれた悲運の少女をめぐる美しい真心の世界を、名調子天津羽衣が奏でる浪曲母映画の珠玉篇。
みち子は母の名も知らず、育ての親・すみの許で伊豆の静かな町で明るく育っていた。だが養父の死によって親子は困窮のどん底に突き落とされ、今は歓楽街の片隅にある飲み屋「住乃家」の僅かな売上だけが頼りであった。しかしその「住乃家」にも町の小出一家が押し入り、借金の催促を理由に、すみに不倫の関係を強要してきた。ついにすみが胃潰瘍で倒れてしまい、みち子は学校が終わると温泉宿にみやげ物の行商に歩かねばならなくなった。そんなある日、「菊屋」で出会った東京・松崎病院の息子明夫と仲良しになり、明夫の母・玉乃からお金を渡される。そのお金を不審に思ったすみであったが、発作に襲われて明夫の父の診察を受ける。そのまま手術に入れたこともあり、すみの身体はすっかり回復したすみだった。奇遇にも昔の芸者仲間・まつに再会し、玉乃こそみち子の生みの母親であることを知ってしまう