1958(昭和33年)/3/4公開 89分 カラー シネマスコープ 映倫番号:10535
配給:東映 製作:東映
美しき母親の再婚問題をめぐって、乙女心を乱す思春期の姉妹。その微妙な女性心理を明るく健康的な雰囲気の中に描き出す、心温まる青春ホームドラマ。
井村時子が幼い頃から夫に死に分かれ、以来女手一つで自分と姉の麗子を育ててくれた母・品子がデザイナーとして銀座に店を出すことになった。開店祝いの夜に、親子三人でチリ鍋をかこんで昔話に花をさかせていたが、その料理屋の女中・年子は実は品子の亡夫の二号であった。だが立派な父親だったと今も信じ続けている二人の姉妹のためにも、品子は動揺を隠しつづけた。翌朝、麗子は高校時代の先輩・太郎からテレビの座談会ゲストの出演を頼まれてしまう。一方品子のもとには、20数年前に互いに情熱を燃やしあった音楽大学の教授・本山が訪ねてきた。数日後に本山の元を訪れた品子だったが、麗子と時子が二人を見つめる視線を感じ、狼狽する。そして麗子が出演する座談会の放送を本山の家で観ていた品子だったが、自分の両親を誇らしげに語る麗子の姿を見て、品子は胸が締め付けられる想いだった。一方その麗子も憧れの太郎との交際を始め、時子は時子で一人本山の元を尋ねてご馳走になるなど奔放に振舞っていた。だがある夜、本山は年子から井村家の過去を聞き、今まで以上の同情心が沸いてしまう。本山と品子は激しく抱擁するが、その姿を見た麗子は生来の潔癖さから母親の姿に衝撃を受け、偏屈になってしまう。少しずつ、井村家とその周囲に不穏な空気が流れ始めていく…。