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作品紹介

悪魔の札束 

Devil's Money

1960(昭和35年)/7/20公開 83分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:11740 
配給:東映 製作:東映

ギャングから偶然に強奪金を手に入れた男が、金を取り戻そうとするギャングの蛇のような脅迫に怯えながらも、金への執着は断ちがたく、戦慄激情のドラマを展開する。

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ストーリー

実直な米軍トラックの運転手・島村は、いつの日か妻の礼子に小さいながらも洋裁店を開かせる事を夢に抱いている男だ。今日も仕事で横須賀へ行く途中、昔の同僚・厚地に無理矢理に便乗を頼まれた。厚地がオートレース場の売上金を強奪した三人組ギャングの首謀者とも知らず、島村の運転するトラックは非常警戒線を後に突っ走って行った。だが、トラックはMPの検査を受け停止を命ぜられる。便乗禁止という厳しい指令を知っている島村の恐れの中で、必死にボストンバッグを抱える厚地が見つかってしまった。MPの手を逃れようとした厚地は、バッグを落したまま闇の中を転げるように逃げ去った。バッグを見つけた島村は、中味も知らぬままに荷台に投げ込むとアクセルを深く踏んだ。ほっとした思いで家に帰りバッグを開けた島村は、そこに四百万円の札束を見た。驚愕に震える島村の許に、追手を逃れた厚地がやってきた。厚地の脅迫的な態度にふれて、島村はバッグを渡さなかった。新聞を見て厚地の犯行を初めて知った島村は、慌てて警察ヘバッグを届けに行く途中、金貸しの宮本に会い三日以内の返済を迫られて思わずバッグを強く握リしめてしまった,バッグを届けきれぬまま良心の呵責に悩む島村は、ある日、下宿先の子供・四郎を連れて遊園地に遊び、観覧車に興じたが、地上に佇む厚地の鋭い視線を浴びて驚いた瞬間、つられて身体を乗り出した四郎の身体が地上へ落下した。宮本への返済金に四郎の入院費と次第に追いつめられた島村は、バッグの四百万円を狂気のように頭の中に描いた。
一方、厚地も必死に彼を追い廻し、遂に礼子の周辺にもその脅迫の手が伸び始めた。勿論礼子は良人の秘密を知らない。折も折、重傷を負ったオートレース場警備員の口から、まず芳夫、続いて篠原、厚地という順に身許が判明する。年少の芳夫があげられた。情婦・潮美への愛欲に狂った篠原は、抵抗の果てに拳銃戦まで展開したが遂に警官の手に倒れた。法網を逃れながら、厚地の島村への脅迫はいよいよ激しくなった。そんな中、島村は遂に四百万円の金に手をつけた。四郎の入院費を払うためである。宮本への借金も返済した。彼は礼子と共に田舎へ帰り、二人だけの夢を実現させようとするが、礼子は良人の態度を怪しんだ。
「この人は何かかくしている!」
田舎へ帰る当日、島村は、礼子に四百万円入りのバッグを新橋駅の一時預り所へ取りに行かせた。その後姿を執拗に見守る厚地の眼、礼子はバッグを手にしたとたん厚地に捕えられた。厚地は、東京から脱出するため島村の米軍トラックを利用しようとし、礼子が可愛いければ自分の逃走に協力しろと島村を脅迫した。島村は妻の身を案じ、自分を殺してでも礼子を厚地の手から取り戻そうと、指定場所へと向った。不安に慄く礼子の背にはピタリと拳銃が突きつけられていた。島村は厚地の油断を見すまして捨身で身体をぶつけていく。拳銃が厚地の指から離れて地上に飛んだ。二人はもつれ合いながら激しい死闘を演じた。恐怖で棒立ちとなる礼子、「警察だ!警察を呼ぶんだ!」と必死に叫ぶ島村の声。礼子は必死に走った。折りからの風で、破れたバッグからは四百万円の札束が乱れ飛ぶ。その札束を浴びて死物狂いの島村と厚地の上になり下になる格闘が続く。厚地の手が拳銃をつかんだ。情容赦もなく火を噴く銃口、射たれながらも島村は必死に厚地の足にしがみついた。この時、礼子の急報でパトカーのサイレンと共に警官が駈けつけた。狼狽した厚地の両手に手錠が喰い込んだ。礼子は必死に島村を抱き起した。礼子を見上げる島村の顔がゆがむように崩れると幾条かの涙が頬を伝わった。だが、その表情は意外に明るく微笑みさえ浮べていた。

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