1961(昭和36年)/5/3公開 85分 カラー シネマスコープ 映倫番号:12351
配給:東映 製作:東映
大友柳太朗・丹下左膳シリーズの第4作。物語は、江戸と日光を舞台に、日光東照宮修築に絡んだ老中らの策謀を中心に、盲目の娘に寄せる慕情、伊賀の暴れん坊・柳生源三郎との男の友情など丹下左膳の人間的な魅力と剣の魅力をダイナミックに描いている。
女房気取りのお藤、それと息子気取りのチョビ安に囲まれて、鼓の与吉などと賭場通いを続ける丹下左膳。そんな或る日、盲の娘・お光をやくざの手から救うことになる。そんなお光に一目惚れした左膳は、お光の目が百両あれば治せるという話を聞いて、その治療費の百両を集めるために奔走する。時を同じくして伊賀の柳生対馬守が、日光東照宮御修築奉行に決まる。幕府隠密総取締の愚楽老人や大岡越前守らが柳生家に名宝こけ猿の壷ありとみて、善意から薦したのだが、実際の柳生家は裕福どころか対馬守の清廉な性質のため、収賄好きの老中本多淡路守に嫌われており、腹心の別所信濃守を副奉行につかせ、対馬守を苛め始めているのだった。そんなことから、対馬守の弟で伊賀の暴れん坊・源三郎は、司馬道場の娘・萩乃と婚約していたが、兄の身をいつも心配していた。その萩乃に師範代の峰丹波が邪恋を抱いていた。淡路守と信濃守は黄金の神馬を作ると称して対馬守に金策を命じるものの、その実は木馬を作らせ、対馬守に詰腹を切らせようと企んでいたのだった。この企みには、源三郎が邪魔となった。師範代の峰丹波では、源三郎を倒せないと分かり、彼らは百両の金で左膳を殺し屋として雇うのだった。日光へ発った源三郎を追って、左膳は百両を医師・道庵に託して発つ。日光へ着いた左膳は、与吉の手引きで源三郎と対決。その時、峰丹波が萩乃を縛り、短刀をつきつけて登場。源三郎に刀を捨てさせるものの、その汚いやり方に左膳は、怒り心頭。逆に峰丹波を倒し、萩乃を救うのだった。意気投合する左膳と源三郎。一方、神馬を彫らせるために淡路守は、目の手術に成功したお光と養父の彫刻師・作阿弥を日光に拉致し、作阿弥に神馬を作らせる。神馬が出来上がると、二人を消そうとするが、実はお光が対馬守の隠し子であると分かり、いましばらく生かすことに。大岡越前守、愚楽老人の秘かな尽力で十万両の金策ができ、対馬守が日光に到着する日、信濃守はお光を人質に対馬守殺害を企む。与吉からこの企み総てを知った源三郎と左膳は、信濃守の罠の中へと躍り込み、悪人をバッタバッタと切り捨てていく。奉行大岡越前守も役人と共に駆けつけてくる。淡路守は蟄居閉門。信濃守は切腹を言いつけられる。隙をみて斬りかかる信濃守を左膳が一撃のもと斬り捨てる。お光と左膳の感激の対面といきたいところだが、今や対馬守息女となってしまい、光姫となったお光は、左膳のに後ろ髪を引かれつつも、日光を去っていくのであった。
「丹下左膳」シリーズ(6)