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おかしな奴 

A Quirky Fellow

1963(昭和38年)/11/1公開 111分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:13356 
配給:東映 製作:東映

終戦直後の混乱期に“純情詩集”なる独特のスタイルと“破壊された顔”で落語界に登場し、一大センセーションを巻き起した天才落語家・三遊亭歌笑の一生を笑いと涙で描いた人間喜劇。

おかしな奴 
(C)東映

ストーリー

大正6年、三遊亭歌笑こと高水春男は五日市に生まれた。軍人に憧れるも、そのド近眼と容姿のまずさで徴兵検査にも落とされる始末。一念発起、落語家になると故郷を飛び出して東京へ向かったのが22才の春だった。だが、春男のような田舎者を拾ってくれる師匠などいやしない。なんとか潜り込んだのが金楽師匠の許だった。落語修行ならぬ下男修行を懸命に勤め、その甲斐あって金平と名を改めて高座に立つことになる。しかし、そのあまりの下手さ加減には師匠も呆れるばかり。そんな金平を奮起させたのが新しく弟子入りしたとん平の存在。二人で切磋琢磨し実力も伯仲する。だが、先に前座になったのは、とん平だった。度重なる悪運にすっかりふてくされた金平は、酒浸りで惚ける始末。そんな金平を師匠は見捨てず、逆に金平を鼓舞した。奮起した金平は、初恋の恋人からもらった啄木詩集からヒントを得て新作落語に努め、名を歌笑とかえてからようやく売り出すようになった。終戦、その混乱期に笑いを忘れた国民は、むさぼるように歌笑の「純情詩集」に聴き入った。歌笑もそれに応えるように続々と新鮮な笑いをまき散らした。だが、出る杭は打たれるの例えの如く、円八師匠から寄席、ラジオと演じる場から閉め出されてしまう。それでもめげない歌笑の姿に、遂には師匠連中も折れて出て、真打ちを披露することになる。歌笑の創作意欲はますますたかぶり、落語の大衆化を目指して夢は大きく拡がっていくのだが…。

おかしな奴 
(C)東映
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