1956(昭和31年)/3/1公開 60分 モノクロ スタンダード 映倫番号:2119
配給:東映 製作:東映
貧乏百姓の小伜・六兵衛が故郷に錦を飾ろうと江戸へ出立し、語るも涙、見るも涙の難行苦行を続ける姿を描いた喜劇作品。
貧乏百姓の倅で、鼻が人一倍大きいので「鼻の六兵衛」と呼ばれる男がいた。男にはお米という恋人がいたが、夫婦の契りを交わしたにもかかわらず、お米の父は庄屋の息子のもとにお米を嫁がせようとしていた。しかし、お米と六兵衛の逢引が見つかり大騒動。二人の仲は引き裂かれ、六兵衛は泣く泣く江戸に旅立つことに。だが天下の往来でいきなりスリにあう不運さは変わらない。さて、常陸四十二万石の有馬家江戸屋敷では、主君が将軍より拝領した旗指竿の忠と孝を染め抜いた二枚の旗のうち、忠を染めた白旗が盗まれ行方不明になってしまう。実はこれ、御家乗っ取りを画策する悪家老・田辺の陰謀で、前科者の龍五郎に盗ませたものだった。だが何故かその旗があの六兵衛の目の前に落ちてきて、丁度増上寺の境内で捨て子を見つけた六兵衛は、その旗をオシメ代わりに使ってしまう。そうとは知らず有馬家の浮沈に関わる一大事と城代家老・立花兵庫は旗の捜索を番所に通達、目明しの仁助が手柄を立てようと探し回ったところ、出会った六兵衛の純朴さに心打たれ、六兵衛は仁助の家に厄介になることに。六兵衛の鼻の大きさは、実は遠くのものも嗅ぎ出す能力ももっていたので、仁助と六兵衛は白旗探しに動きだす。だが白旗は、赤ん坊のオシメから更に回りまわって乞食の着物となっていて…。