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満ちて来る潮

Ebbing Tide

1956(昭和31年)/7/5公開 95分 モノクロ スタンダード 映倫番号:2313 
配給:東映 製作:東映

毎日新聞連載小説の映画化。大都会とダム工事現場を一つに結んで、人妻の恋愛心理を、孤愁と情熱の中に描き尽くす文芸メロドラマの白眉。

満ちて来る潮
(C)東映

ストーリー

医学博士・瓜生安彦の妻・苑子が運転する車が海岸通で故障したとき、助けてくれたのがダム設計技師の紺野であった。三十過ぎても独身で、大自然の征服に生き甲斐を感じる紺野と、優秀だが平凡な暮らしに安住する夫に少なからず不満を感じていた苑子。互いに何かしら惹かれるものを感じる二人だった。苑子には旧家出身で美術研究所に勤める笙子という従妹がいたが、彼女が突然婚約を破棄すると宣言した。自分の信じる道を進もうとする笙子に戸惑う苑子。二人がとある討論会に出かけたとき、紺野と偶然再会する。紺野は安彦の患者であり飲み友達でもあったのだ。一方、笙子は植物学者の真壁からの便りを受け取った。彼は胸を病む妻を持ちながら、植物の研究に異常な情熱を賭ける変わり者。妻のいる真壁に惹かれてはいけないと思いつつ、笙子は思いを止めることが出来ない。安彦にも「逢うべきではない」と諭される。やがて秋も深まり、紺野の熊野川ダム調査に苑子と笙子が同行することになった。開放感も加わり、紺野への想いが強くなる苑子。帰京すると、安彦は笙子の婚約者として紺野を選ぶのだが、紺野も苑子への思いに悩みながら逢瀬を重ねる。そして笙子は、生活が困窮する真壁に援助をしようとするが、真壁は笙子の想いを知ってか妻と共に東京を去る。そして、安彦と別れる覚悟を決めた笙子に対して、紺野は笙子に冷静に別れを告げるのだった…。

満ちて来る潮
(C)東映
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