1957(昭和32年)/11/24公開 108分 モノクロ シネマスコープ 映倫番号:10306
配給:東映 製作:東映
地下三十八尺の坑底に閉じ込められた五人の生命を巡り救助作業に従事する人々の、人間性の土壇場を鋭く抉る美しきヒューマニズムに富んだ野心大作。
名古屋から電車で1時間40分のところにある、美濃平野・御嵩町の亜炭発掘場。ここ数年の景気により活気に満ちた炭鉱だったが、度重なる応急処置や修繕で、坑内全ての箇所で落盤の危機に常に晒されていた。伴野はここで既に二度も落盤の経験があるのだが、農業の片手間に働く石垣や、病気の子供の為に炭鉱に入る野田、そして油井や山口ら仲間との作業は、危険な現実を少しでも和らげてくれた。だが、梅雨の長雨で地盤は緩み、ミチの操るウインチに乗って坑道を降りていった5人は、その直後に物凄い勢いで流れ込んできた水によって流されてしまう。地上では直ちに5人の救出作業が始まるが、様々なトラブルが発生し遅々として進まない。やがて苛立ちによる民族差別まで起き始め、人々の間には険悪な雰囲気が流れ続ける中、土壇場の救助作業が続く…。